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【2017/11/24 01:49 】 |
~誕生~ その17話

次の日の朝。

「昨日何時くらいに帰ってきたの?」
朝からご機嫌斜めなお嫁さん。

「ん~・・あんまりよく覚えてない。」
「ふ~~~ん・・・」
ものっそい怒ってらっしゃいます。

しかし、実のところこの頃には、俺の気持ちは嫁には関心があまりありませんでした。
原因は『夫婦生活』です。

妊娠しているとはいえ、妊娠が分かり、一緒に暮らすようになってすでに9ヶ月。
その間一切ありませんでした。
だからといって誰かと浮気をするようなこともしませんでした。

え?みぃみちゃんはどうなんだって?
ちょっとみぃみちゃんについて先に記載しますか。

昨晩あんなことがあったにも関わらず、その後は別に連絡を取り合っていたわけでもなく、彼女には彼女の友達付き合いもあったでしょうし、高校がすこし遠いところにあったため、一人暮らしをしていたので、そこまで一緒にいる時間があったわけでもありません。
たまに2人きりで家の近くの居酒屋に飲みにいくくらいのものでした。
俺としても、そんなにマメに連絡をいれるほうでもなかったので、そのまま何事もないまま時間だけがすぎてしまったといった感じです。

と。話を戻します。

毎日バイト三昧で、1ヶ月のお小遣いは1万円。
大学生がこんなんでやっていけるわけがありません。

それでも、気持ちは離れつつあっても、『子供のため』と大義名分、バイトに勤しんでいました。
そんなバイトの休みのある日の出来事でした。

「ただいま~」
いつもよりもかなり早めの帰宅です。

誰もいないのかな・・?

1階には誰もいませんでした。

おかしいな・・。今日は検診日じゃなかったはずだけど・・・?

「いないの~?」
2階にあがる階段をゆっくり上がっていきました。
そうすると嫁が座って何か作業をしていました。

「なんだ。いるんじゃん。」
・・・・・

返事がありません。
また、なんか怒らせるようなことしたかな・・?

「どうしたん?」
・・・・・

相当怒ってるなー。

「俺なんかした?」
・・・・・

チョキチョキ。
ん?

チョキチョキチョキ。
なんか切ってる?

そーっと、目の前に回ってみると。

「なにしてんの?!」
誰が見ても驚く光景がありました。

大きなカレンダーを日にちごとにきれいに切って、1日から31日まで並べておいていたのです。
それは、なにか呪いの様にも見えたのです。

「なぁ!なにしてんの?」
そういって、嫁の手をつかもうとした時。

「うわぁぁあああ!」
奇声を上げながら、両手で今切っていたカレンダーを俺に向けて投げつけます。
そして、はさみを持ったまま俺に向かってきます。

これはまずい!
咄嗟に嫁に抱きつきました。

少し俺の胸の中でジタバタした後、我に戻ったのか
「私・・・なんかしてた・・・?」
覚えてないのか・・。

「これ・・・なんか切ってたよ・・?」
「あぁ・・・。」

嫁の話によると、朝お義母さんからいらないカレンダーをもらったときに、『この日に妊娠わかったんだよね』という気持ちから、この1年をカレンダーを見ながら振り返っていたとのこと。

自分が妊娠して、だんだんお腹が大きくなって、外に出歩くことも、家の階段の上り下りすることさえも、だんだん辛くなっていっているのに、俺は毎日バイトいけて、大学にもいけて、帰ってきたらお義父さんと一緒にお酒のんで、煙草吸って。
そうゆう全部が彼女を鬱状態にしたようでした。

「なんであんたは外にでれるの?!」

「なんであんただけお酒のめるの?!」

「なんであんただけタバコすえるの?!」

「なんであんただけ楽しそうなの?!」

「なんであんただけ・・・・」

そういって泣き崩れそうになる彼女を俺は抱きかかえました。

俺だって、別に遊んでるわけではなかった。
それでも彼女に対する思慮が足りなかった。
ここは彼女の家で、俺からすれば気を使うことは俺のほうであって、普段から嫌に明るく振舞うといったことをしていました。
それは、家族に俺がもう馴染んだというように感じてほしかったから。
彼女に俺のことで心配してほしくなかったから。
妊娠に集中してほしかったから。

そうだとしても。

俺はなんて馬鹿なんだろう・・・。
こんなに辛い思いしていたのに、なんで気が付かなかったんだろう。

妊娠の辛さは男には分かりません。
一生かけても味わうことができません。
"女じゃないし、分かる分けない。"と、どこか他人のように思っていました。
それ自体が間違ったことだったと、ようやく気づけたのです。

「ごめんな・・・。」

「わかってやれてなくてごめんな・・。」
彼女を抱きしめたまま、彼女の横で俺の目からも大粒の涙がこぼれます。

「もっと私のことみてほしかったんだよ・・」
「・・・そうだね。」
彼女は続けます。

「仕事してくれるのはうれしいよ?」

「大学にもちゃんといってほしい。」

「でも・・。でも・・・。」

「1日に1回でいいから私の名前呼んでよ・・・」
俺は朝は大学があったため、8時くらいに家をでて、バイトがあった日は深夜の3時くらいに帰ってきていたため、彼女と顔をあわせることがないまま1日が終わることも多々ありました。

深夜の3時くらいに帰宅したとき、たまたま彼女が起きてきたときの話ですが。
「帰ってきたら起こしてよ。」
「気持ちよさそうに寝てるからさ・・」
これは本当にそうであったことと、妊娠中で大変だろうという配慮から起こすことはしなかったのです。
しかし、それが彼女を逆に苦しめていたとは・・。
いろんなことが初めてわかりました。

俺にも感じること他にあったにしても、そのときだけは。
「本当にごめん・・・」

「ちゃんと見る。ちゃんと話す。ちゃんと名前呼ぶから・・。」
「うん・・・。ありがとう・・・」

そういって何かから開放されるかのごとく、彼女は眠りにつきました。
それを見守った俺の心には二つの気持ちがあったのでした。


→~誕生~その18話へ 



※そろそろ生まれますよ!
 私のジュニア誕生の瞬間です。
 まぁそこにも一騒動あったわけですが・・。
 
 

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【2009/04/10 14:13 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
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