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【2017/11/24 01:51 】 |
~移り行くものと変わらぬ気持ち~ 第12話

久しぶりの仲間との飲み会はとても楽しいものでした。
酒を飲んだこともあったので、その日はゆうやの家に泊まり、翌日家に帰りました。

「ただいま~」

しーーん

誰もいないのかな?


奥の部屋からなにか作業をしている音が聞こえます。
その音のするほうへといってみると、妻が内職をしておりました。
少しでも子供のためにお金を貯めたいということで、お義父さんの会社の内職を妊娠中から行っていたのです。

「なんだ。いるんじゃん。」

しーーーん

は?しかと?


「聞いてんの?」
「聞いてない。」
いや。聞いてるじゃん。

「なんか怒ってんの?」
自分で考えても怒られる理由がわかりませんでした。

「いいね。外出歩けて。」
え?今更それいうの?

「ちゃんとお前に聞いたじゃん。」

「友達と遊ぶの久々なんだから楽しんできなっていってたじゃん。」
「この内職だった誰のためだと思ってんの?」
俺がいったことは一切無視です。

「子供のためじゃないの?!」
「何がいいてぇんだよ?」

「こっちが子供のために仕事してんのに、何も考えずに遊びにいけていいねってこと!」
「じゃもう出歩かねーよ!!」
今までいろいろと我慢してきたことが爆発しました。
俺が朝から大学いって、夜遅くまでバイトしていることもあり、夫婦の会話なるものもほとんどなかった俺達でしたので、こんな喧嘩は当たり前になりつつあったのです。

なんなんだ。こいつは・・・

大学の授業があったため、着替えてすぐに家をでました。


授業が終わり、バイトに行きました。
「はじめまして~♪」
「ん?」

「今日からバイトでお世話になります♪」
「あ。よろしく~。」

パチンコ屋が大々的に改装を行っていまして、それにあわせてバイトを3人ほど追加したのです。
俺に一番最初に挨拶してくれた子が、まみちゃんです。

まみちゃんは前もパチンコ屋でバイトをしていたということ、ギャルあがりということもあり、かなり活発な子でした。
その分仕事を覚えるの早かったのです。
俺はバイトの中では一番に仕事ができたほうでしたので、バイトリーダー的な立場にありましたので、彼女の教育係のような形になっておりました。

まみちゃんはいつもラストまでやっていて、カウンター業務の女の子が今月中にバイトをやめるということもあり、毎日遅くまで〆作業を教わっておりました。

彼女は俺の3個下でまだ18歳ということもあり、いつも誰かが送っていくことになっていたのです。

まみちゃんの家と俺の家は反対方向だったのですが、
「お前、教育担当なんだから送っていけよ」
サブリーダーのこの一言で俺に決定。
職権乱用とは、まさにこのことしょう。

「遅くなってごめんね」
敬語の「け」の字も彼女は使いませんでした。
それがなぜだか、心地よかったのです。

「ん。大丈夫。腹へった?」
「うん♪」

「飯でも食いにいくか。」
こんな感じでバイト上がりに2人で飯を食いにいくことが多くなりました。

俺と彼女はどちらが求めるわけでもなく、二人で過ごす時間が徐々に増えていったのです。



 

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【2009/05/14 13:20 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
~移り行くものと変わらぬ気持ち~ 第11話

祭りのあとは、かなり寂しさが残るもので。
寝ているやつらをたたき起こして、家に帰るようにしむけます。


みんなが家に帰り、残ったのは俺とゆうや。
学校でもそれなりに顔をあわせているので、そんなに報告らしい報告はなく、取り留めのない話をしていた気がします。

男同士の話で友情を語るタイミングなど、そうそうないものですから、さっきの飲み会でのゆうやとのちょっとした会話が、とても心に残っていました。

ゆうやはあまり自分のことを話すような男ではありませんでした。
俺もどちらかというと、話すほうではなかったのですが。

お互いに恋愛相談なんてことはしたことがなく、それでいてなんとなく、お互いの気持ちが分かっているという、なんとも不思議な関係だったのです。
そのゆうやが俺に話しを始めました。
「俺な。みんなとは違う部分で、おまえはエロいって思う。」
「は?」

「ああ。違った。偉いだ。」
「まぁエロいでもまちがってねーけど?」

「そりゃそうだ。」
いつもの冗談です。

「なにが偉いって?」
「ん。生ませたいって決めたことだよ。」

「ん?それって偉くないだろ?」
「いや・・。俺。今の彼女にこの前おろさせたから・・。」

「本当か・・・?」
「ああ。本当だ。」
こんな話をゆうやからするのは、本当にめずらしかったのです。

「できたって聞いたときな。正直うれしかった。」
このときゆうやは実家の近くに住んでいて、最近都内にでてきた女の子と付き合っておりました。
高校の後輩だったようで、女の子のほうがゆうやのほれ込んでいたのです。

「でもな。お前は嫁さんの実家こっちだろ?」
「そうだな。」

「俺ら向こうじゃん?生むってなったらさ、もどんないといけない。」
「ああ。」

「それにな。まだまだ経済力もねぇしな。実家帰ったとしても、親父の跡ついで漁師なるくらいだ。」
「まぁな・・・。」

「だからな。同じ大学生だけど、お前は生ませてあげれて、俺はできなかった。」

「だからお前の覚悟とか、気持ちとか他のやつよりはわかるんだ・・。」

「俺も1回生ませたいって思って、覚悟決めようとしたからな・・。」
「ゆうや・・・。」
酒を飲んでいたこともあり、ゆうやの家までの道のりを2人で歩いて帰っている途中でした。

「うん。お前の言いたいことわかった。」

「でもな。今の話し聞いて、お前のほうが偉いと思う。」
「え・・?」

「俺はな。簡単にいったら"かわいそう"って気持ちだけなんだ。」

「今この子が生まれなかったら、同じ子は生まれてこないんだって気持ちだけだった。」

「経済力だの、今後のことだの、一番考えなきゃいけないこと全然考えてなかった。」
「うん。」

「たしかに嫁の実家こっちだからな。それに甘えてるんだと思う。」

「でも俺はそれを他から"こいつ甘えてるな"って思われないようにがんばればいいって思ってる。」
「そうだな。」

「おろすって決断のほうがよっぽど辛い決断だと思うぞ?」

「それを彼女に伝えるのなんかもっとだ。」

「俺な。お前のほうが俺より何倍もすごいと思うぞ?」
全て俺の正直な気持ちでした。
ゆうやも誰にも相談できずに、苦しんでいたんだと思うと、なぜ力になってやれなかったんだと自分への悔しさがこみ上げてきます。

「ありがとう・・・。」
そういったきり、俺のほうを向くことはなく。
時折、鼻水をすすっていましたが、同じくそれに俺が反応するわけでもなく。

「煙草・・吸うか?」
「おう・・。」
セブンスターを取り出してゆうやに1本渡します。

「そういや、この煙草も、俺がゆうやの真似したんだよな。」
「そうだったな・・。」

「"この喉にクッってくるのがいいんだよ"とかわけわかんねぇこといってやがったしな。」
「うるせぇよ。」

「最初は重くって全然すえなかったけど、今じゃこれじゃねぇとな。」

「やっぱ、煙草は重くってなんぼだろ?」
ちょっと笑いながらゆうやに問いかけます。

「ははは・・。当たり前だ。」

 


ゆうやの家のそばに川原がありました。
何をするでもなく、自然とそっちに向かう2人。

「この前な。ここに墓、つくってやってたんだ。」
たしかに最近、この川原でゆうやが一人たたずんでいるところを何度か見たことはありました。

川原の砂利のあるところの真ん中よりも、ちょっと土手よりに大きな岩が二つありまして、それの間にちょっとした石がおかれてありました。

「本当はな。この世に生ませてあげたかった・・・。」

「でも、それができなかったから・・。」

「少しでも太陽の日あびれて、少しでも空気のきれいなところで、少しでも自然に近いところで・・。」

「あの子に感じさせてやりたくって・・・。」

「んでな。1日1回はここで煙草吸うようにしてんだ・・・。」

「俺がお前の父ちゃんの匂いなんだぞってさ・・・・。」

「匂いなんか届くわけねぇのにな・・・・。」
そういいながら、吸っていた煙草を線香のように石の上に立てたのです。


俺はゆうやという人間に心底ほれこみました。
全てにおいて俺なんかよりもずっと真剣に考えている。
自分の事が情けなくすら感じました。


そのゆうやが俺を偉いといってくれた。
俺のほうがすごいって思ってくれた。
俺と出会ってくれてありがとう。
俺はこの先、お前の力になる。
何かあったら必ず駆けつける。


男友達にここまでの感情をもったことがなく、"親友"という言葉の本質が初めて分かった時でした。




 →~移り行くものと変わらぬ気持ち~ 第12話へ 

【2009/05/09 15:48 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
~移り行くものと変わらぬ気持ち~ 第10話

『ギャランドゥのおばけ~~~!!』
「ええ?!」


あんなギャランドゥ初めて見ました。
西城ヒデキもびっくりでしょう。

普通皆様が想像するギャランドゥというものは、せめて股間の上辺りからちょっとへそに向かって伸びているぐらいのイメージでしょう。
しかし、彼の持つそれは、そのイメージを遥かに凌駕するものでした。

①太さ
 一般的ギャランドゥは、あっても1cm程度でしょう。
 彼の股間から伸びるギャランドゥは幅が3cm程度ありました。

②長さ
 そのギャランは弱まることを知らず、その太さのまま彼のへその下部分へと伸びています。
 その全てのギャランをへそ下部分が飲み込んでおりました。
 それだけでは飽き足らず、ギャランはへその上部分から今度は胸にかけて伸びておりました。
 
③形状
 ギャランの動きは、ギャランの流れは、ギャランの怏々たる風格は、まさに天を翔る竜のごとく、彼の体を無尽蔵に埋め尽くさんとしていたのです。

 


「そ、それってさ。ギャランドゥだよね・・・?」
恐る恐る聞く俺ら。

「あ。これ。」
『そうそう』

「そうだよ。なんか年々太くなっていっててさ。」
年々・・・。
まだ発展途上だと?

「最初は西城ヒデキみたいなくらいだったんだけど。」
最初から西城ヒデキ級ですか・・・。
それでも立派です。

「今じゃ、郷ヒロミくらいになっちゃった。」
郷ヒロミくらい?
そもそも郷ヒロミのギャランをみたことがありません。


「ふらち~なリズムで~ ギラつくむねはぁ~~♪」
歌いだしましたけど・・・?
どちらかといえば黒ずむ胸。

「きっみを~ほしがる~~ よくぼ~のサイン~~♪」
それで欲しがられても・・・。

「よこしまなきもちが~ ダンシィインザサ~ン♪」
縦しまでしょうに。

「このむねであばれて~ とっまらない~~ やばんなたいよ~~~♪」
暴れてるのはギャランドゥ。

「アーチーチーアチー♪燃えてるんだろうか~~」
燃えるんだ。ギャラン。

「アーチーチーアチー♪感じたんだろうか~~」
そのギャランには感じない。

「アップサイド♪インサイドアウト きみをなかせても~~♪」
初めて見たら泣いちゃうかも?

「アーチーチーアチー♪それはたいよ~が~~ させたとこだよ~ なつのたいよ~が~~~♪」
それはぎゃらんが~ させたことだよ~。

「ジャァピァン!」
ギャラン!!


歌もダンスもバッチリ決まっておりましたので、つぶく君は満足したのか、そのままその場に倒れるように就寝しました。

「びっくりした~。」
「こんなもん、初めてみたもんな。」
「ああ。まじで"上り竜"だな・・・。」

このしょーたの一言で彼のあだ名は
"ドラゴン"に決定。
 



→~移り行くものと変わらぬ気持ち~ 第11話へ 

【2009/05/08 17:02 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
~移り行くものと変わらぬ気持ち~ 第9話

氷合戦の片付けが終わり、ふと時間を見てみると、すでに11時を回っておりました。
出てくるときに
「酒飲むなら帰ってこなくていからね。」
と妻に言われていたので、今日は帰るつもりはありませんでしたが、さすがに連絡しないのはまずいだろうと思い、連絡をしようと。

トゥルルルルル
トゥルルルルル
ガチャ

「あ。俺だけどさ。」

プツ
ツーツーツー

ん?切られた?
寝ぼけてんのかな?

トゥルルルルル
トゥルルルルル
ガチャ

「あ。俺だけ」

プツ
ツーツーツー

さっきより切るの早くないです?

トゥルルルルル
トゥルルルルル
ガチャ

「あ。俺」

プツ
ツーツーツー

・・・・・。
わかったよ・・・。

なぜだか涙が流れてきました。


焼肉屋に戻ると俺とゆうや以外はほとんどつぶれており、そこらで寝る始末。

「ったく・・しょうがねーな。」
「俺だけじゃなかったってことだな。」
この光景は全員が祝福してくれていたからこそだと感じました。

「そうだな・・・。みんなありがとうな。」
幸せそうに酔いつぶれる仲間を見ていて、人の温かみ、優しさ、繋がり。
いろんなことに感謝する瞬間でした。

しかし、累々と転がる死体のような仲間達のなかに一人だけ異質なやつがいたのです。

「ゆうや!」
「ん?どうした?」

「ちょ・・。あれ・・・・」
「え?は?なに・・?」

それはこの世のものとは思えないほど、黒々としていて。
うっそうと茂っている様はまさにジャングルのごとく。
しかし、その下から上へと上る様は、まさに竜のごとく。
俺とゆうやの動きを一瞬にして止めるのには、余りある光景なのでした。

そこに、しょーたが目を覚ましました。

「ん・・・。ねちまってたか。」

「しょーた!ちょ!これ・・。」
「んあ?なんだ?」
俺とゆうやの横に来るしょーた。

「ああ!?」
しょーたも動きを止めました。

「なんだ・・・?あれ・・・・。」
と、そのとき

「ん・・・。んー・・。」

びくっ
身構える俺ら。

やばい・・。
彼が目をさましてしまったら・・・。

恐る恐る彼に近づく俺ら3人。
近くでまじまじと確認すると、さらにそのすごさが分かります。

「あれってさ・・・。」
「ああ。あれしかねーよな・・?」
「あれだろうけど・・。あんなになるのか・・?」
「だって実際にさ・・。」
「・・・そうだよな。」
なんとか酔った頭を正常に戻そうとする俺らですが、あまりにもすごすぎる光景に、どうしても頭がついていくことを拒んでおりました。

「んー・・・。おはよー。」
ついに怪物が目を覚ましたのです。

「お・・・おはよ。」
「ん?どうしたの3人とも。」

「い、いやさ。」
「う、うん。別に・・・。な?」
「そ、そうそう。な、なんでもな、ないよ。」
「んん?なんかおかしくない?」
一歩、また一歩とこちらに歩を進める怪物。

「う、うわ~!」
「こ、こっちくるな!!」
「ごめんなさい!ごめんなさい!!」
意味も分からず、怖がられたり、謝られたり。

「へ?俺なんかしたの?」
「ううん!なにもしてないから!」
「そうそう!なにもしてないから、こっちくるな!」
「ナンマンダブツ。ナンマンダブツ・・・。」

「なになに?」

『うわ~~~~!!!』

『ギャランドゥのおばけ~~~~~!!!!』
「ええ!?」



→~移り行くものと変わらぬ気持ち~ 第10話へ 
 

【2009/05/06 12:47 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(1) | トラックバック(0)
~移り行くものと変わらぬ気持ち~ 第8話

GWということで、長らくアップしてませんでした。
申し訳ありません。

まぁ、そこまで読まれている方もないとおもいますので、
これからものんびりアップします~。






~第8話~


ゆうやとの約束をした日曜日。

その日がちょうどバイトの給料日ということもあり、コンビニのATMへ急いでいました。

今月もがんばったしな。
まぁ30万くらいはいってるだろう。

意気揚々とATMへ駆け込む俺です。
暗証番号を押して、金額を確認すると予想通りの金額でした。
通帳にお金を入れておくことが嫌いなこともあり、全額おろして家へ。

「こんだけはいってたよ。」
「お疲れ様♪」
こうゆうときだけうれしそうな顔をする妻。

「がんばったね。はい。お小遣い。」
渡されるのはいつも1万円。
どんだけ稼いできたとしても、お小遣いは1万円でした。

「はぁ・・・。」
知らずとため息ももれるものです。

「なに?不満でもあるの?」
そりゃ大ありですよ。
大学生が1ヶ月1万円でどうやって過ごせばいいのでしょう。

「ごはんだって家にあるし。」
そりゃね。

「お酒だって家にあるし。」
はい。そのとおり。

「それ以外になにが不満?」
なにって・・。21歳の若者に1ヶ月1万円っつうことが無理難題でしょ。

世の中のお父さん方。本当に大変なんだなぁと感じるタイミングでもありました。

お小遣いをもらった日の俺の日課は毎月決まっておりました。

はい。増やしにいきます。
どうやって増やすかって?全然現実的ではないですよ?

だって行き先はパチンコ屋。

今考えたら何してたんだろうと思うのですが、そのときは本当に運があったせいか、手持ちがなくなりそうなときにパチンコ屋にいけば、それば10万以上に確実になっていたのです。

ああ・・。AT機がなつかしい・・・。

その日もなけなしの1万円を握りしめて、当時人気台であった"サラ金"へ。
投資7千円にて、何も変化なし。
残り3千円で1ヶ月持つわけがないので、そのまま続行。
その強行が功を奏し、収支13万なり。
ダイ○ムさん、ありがとう!

ウハウハでゆうやに電話です。
「今日何時から集まるんだ?♪」
「お?でれそうか。一応6時からだけどさ。」
「ん。じゃもうお前の家向かうわ」

6時ちょっと前にゆうや家に到着。

「今日どこでやるん?」
「ああ。まぁ一緒にいきゃわかるわ。」
って、運転俺ですけどね。

向かった先は大学野球部御用達の焼肉屋でした。
俺が店のドアを開けます。

「おひさしぶりで~~す・・。」
パンパン。
なんだ?!
『お子さん誕生おめでとう!!』
野球部の連中でした。

「よかったな!おめでとう!!」
「今度学校つれてこいよ!」
「お前に似てないよな?似てたら最悪だ。」
「うん。女好き決定だな。」
「うん。馬鹿決定だな。」
「うん。人間としても痛いな。」
最後は全然祝いの言葉とは異なっております。

「ありがとうな!」
「いいって。いいって。友達だろ?」
「うん。がんばったの嫁さんだし。」
「うん。お前なにもしてないし。」
「うん。お前ただ出しただけだし。」
「うん。気持ちよかっただけだし。」
これって祝いの席ですよね?

「まぁすわれよ」
ゆうやが案内してくれます。
久々に大学の連中との飲み会ということもあり、盛り上がること盛り上がること。
基本、俺に飲ませるってコンセプトは変わらないのですが、俺もそんなに弱くないほうでしたので、一向につぶれる気配はありません。
時間がたつにつれて一人、また一人とその場に寝だすやつら。

「ったく。しょうがねーな。主賓より先につぶれるなよ。」
「いいんじゃね?お前のことは俺らのことだから。」
ゆうやが話をしてくれます。

「俺な。本当にうれしかった。」
「・・そか。」
俺のことを自分のことのように感じてくれている仲間がいることが、どれだけ幸せでしょうか。

「こうやって酒飲むのも久しぶりだな。」
「そうだな。」
屋台で話す親父達みたいにしんみり話しこんでいます。

「まぁ俺らはいつでもお前の味方だからさ。好きにやれよ。」

「例え、今がだめになったとしても、そんときはそんときだし。」

「だからってお前を見捨てたり、突き放したりしない。」

「悪いことは悪いでしっかりいうけどさ。前みたいにな。」
「あははは。もうねーよ。」

「うん。そう信じてる。俺の親友だからな。」
「ゆうや・・・。」
感極まりすぎて、涙が出そうになったときです。

ザバー。

え?!つめて!

「あはははは!なにしてんだよ~~!!」
酒に酔っ払った俺ら野球部1年のキャプテンのつぶくがアイスペールを俺とゆうやにかけたのです。
もうそこらじゅう氷と水びたし。

「つめてっ!このやろー!!」
「あはははははは。」
床に落ちた氷でいきなりの雪合戦ならぬ、氷合戦開始。
全員野球部ってこともあり、コントロールのいいこといいこと。
投げているものが氷ですので、あったったときはかなり痛い!
急所に命中したやつなど、その場に崩れ落ちます。
その氷合戦をちょっと離れたところで見ていた、その店でバイトしている野球部のやつがいました。
※こいつも大学を途中でやめるので詳細はふせておきます。

「あ~ぁ。これ親方にどやされるぞ~。」
などと、人事で我関せずと煙草をふかしておりました。
が、一番の深手を負ったのは彼でした。

「え!?いて!!」
いきなりお尻を押さえて前のめりに倒れる彼。
あまりの突然の出来事に氷合戦も一時中断。

彼の立っていた暖簾の後ろから包丁を持った親方が登場。

ん・・・?

「てめ!友達がもめてんのになに煙草すってんだ!!」

「さっさととめねぇか!!」
肉を切る細長い包丁でお尻を刺されたようです。
酔いに任せて氷合戦していた俺らもそれには真っ青。

「・・・すいません。親方・・・。いてぇ・・」
「そりゃそうだ。おもいっきりさしたからな。わはははは!」
全然笑い事じゃないんですけど・・。親方。

何も言われることなく、床掃除を始める俺らなのでした。
 


→~移り行くものと変わらぬ気持ち~ 第9話へ 

【2009/05/05 09:17 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(0) | トラックバック(1)
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