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【2024/04/23 21:06 】 |
~移り行くものと変わらぬ気持ち~ 第6話

今までは目に見えて分からなかったものが、今はこうして目の前にいて、俺の手をふれて、だーだーだの、あーうーだのいっています。
ようやく父親にしてもらえた。
そう感じる瞬間がとてもうれしくて、意味もなく子供の顔を眺めている時間が増えました。
その分、大学へいくとき、バイトから帰ってきたときなど、ほとんど寝顔しか見れてないことが寂しくもありました。


→→

「おう!生まれたんだって!?」
「ああ!」
俺が大学にはいってよかったと思えた友達、ゆうやです。
大学で知り合ったのですが、地元が一緒で、高校時代の部活も一緒と、なぜ高校の時に出会っていなかったのか?と思うくらいに近い存在だったのです。

そして、彼は以前に話をした、俺をしかってくれた友達の一人でもあったのです。

「まじでよかったな!」
「ありがとうな」
本当に仲のよい友達というのは連絡を取っていなくても、関係性に全然変化がないものです。
妊娠が分かってからというもの、バイト三昧だったので、ゆうや達の誘いを一切断り続けていた俺にとっては、この何も変わらない対応が、なによりでした。

「そんでさ。今週開いてるか?」
「ん?何曜日?」

「日曜日なんだけどさ・・。家族サービスか?」
「う~ん・・。今まで出歩いてなかったから大丈夫だろ。」

「そうか。わかった。」
何をするのか、一番重要なところがわからぬまま約束を交わし、彼は実験室へと向かいました。

かなり言うのが遅れましたが、俺が通っているのは理系の大学で、それはもう頭のおよろしいとこだったのです。
なんていったって、5・6流くらいの大学でしたから・・・。

彼は応用科学で、俺は電子工学でした。
学科が違うため、授業で一緒になることは、ほとんどありませんでしたが、休み時間というと、大体溜まるところは一緒。
というか、俺が電子の人間と一緒にいることが少なかっただけなのですが。
自分を擁護するためではありませんが、一応言っておきます。
別に電子に友達がいなかったわけではないですからね?
普通にいましたよ?でも応用科学のほうに多く在籍していたというだけの話です。

大学からゆうやの家は自転車で10分くらいのところにありました。
そしてそれは大学の野球部の練習場のすぐそばにあるアパートだったのです。

 


←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←


「へぇ。この大学にも野球部あるんだ。」
大学まで来て部活動にはいるつもりもなかった俺ですが、一応見学だけでもしておこうかと思い、練習場を見に行きました。

「ふ~~~ん。軟式なんだ。」
高校で硬式をやっていた俺にとっては、ちょっと馬鹿にした態度ではありました。
すると俺の後から来た二人組。

「おー。やってる。」
「あ!先輩!!」
なにやらこの人たちは野球部に先輩がいるらしい。

いいなぁ・・知り合いがいて・・・。
田舎からでてきたばかりでもあり、一人は寂しく感じているときだったので、特にそう感じました。

「おー!きたか!おまえら!!」
『はい!』

「新人研修会のときはありがとうございました。」
「ああ。大丈夫だ」
新人研修会とは大学で入学式の1週間後くらいにある、1泊2日の小旅行のこと。
まぁひらたくいえば"お友達作ろう旅行"です。

「ん?隣のおまえは・・?みたことねーな」
「あ・・・。自分っすか?」

「おう。そうだ」
「自分は電子なんで・・。」

「ああ。それでか。まぁよろしく頼むわ。」
ものすごく気さくな先輩でしたので、それだけで心が和みます。

「俺、ゆうやっていうんだ。よろしくな。」
「俺はしょーた。よろしくな」
「ああ。よろしく。」
二人ともいい感じの人でよかった・・。

「あ!先輩!!」
しょーたが先輩の所にいきました。

初めてあった人なので、何を話ししていいのやら・・。
ゆうやっていってたよな・・・

「出身ってどこ?」
ゆうやが話かけてくれました。

「○○だよ。」
「え!!!まじで!!!俺もなんだけど!!!」
なんたる奇跡。地元が一緒でした。

「おお!?どこ高校?」
「△△だ!」
大体、地元が一緒だと、どこの高校だったかって話しになります。

「まじかよ!そこ友達いってるし!!」
思いもよらぬ共通点。
俺とゆうやは一気に仲がよくなりました。

「ゆうやって高校でも野球やってた?」
「うん。これでもキャプテンで4番やってたんだぞ?」

「うお!すげぇじゃん!!」
「まぁな。んでさ・・。おまえ大学で真剣に野球やるつもり、ある?」

「う~~ん。あんまり・・ない。」
「だろ・・?だからさ・・・」
ここで俺とゆうやが二人で密会をします。
それを不思議そうに見つめるしょーた。

しょーたは今まで野球部に属したことがなかった人間ですが、かなり野球には詳しかったです。
俺やゆうやなんか足元にも及びません。
このしょーたも俺をしかってくれた友達の一人です。
俺はこのたった一瞬で親友と呼べる仲間を二人も手に入れたのでした。

「うん!それいいな!」
「だろ?それでいこうぜ!」
相談が終わった俺達は先輩のフリーバッティングのボールを拾っていました。

「おーーい!1年坊!!」
キャプテンが俺達を呼びます。

「今からノックやるから。お前らも自分のやりたいポジションにつけ。」
『はい!』
この日俺ら3人以外では他に3人見学にきていました。

後々、結果的にこの3人は野球部を去ることになるので詳細はふせておきます。

ゆうやはレフト、しょーたはセカンド、俺はショートにつきました。
俺もゆうやも高校からのポジョションで、しょーたは本当にやりたかったポジョションにつきました。

さぁノックのはじまりだ!
 

→~移り行くものと変わらぬ気持ち~ 第7話へ 

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【2009/04/25 10:17 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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