GWということで、長らくアップしてませんでした。
申し訳ありません。
まぁ、そこまで読まれている方もないとおもいますので、
これからものんびりアップします~。
~第8話~
ゆうやとの約束をした日曜日。
その日がちょうどバイトの給料日ということもあり、コンビニのATMへ急いでいました。
今月もがんばったしな。
まぁ30万くらいはいってるだろう。
意気揚々とATMへ駆け込む俺です。
暗証番号を押して、金額を確認すると予想通りの金額でした。
通帳にお金を入れておくことが嫌いなこともあり、全額おろして家へ。
「こんだけはいってたよ。」
「お疲れ様♪」
こうゆうときだけうれしそうな顔をする妻。
「がんばったね。はい。お小遣い。」
渡されるのはいつも1万円。
どんだけ稼いできたとしても、お小遣いは1万円でした。
「はぁ・・・。」
知らずとため息ももれるものです。
「なに?不満でもあるの?」
そりゃ大ありですよ。
大学生が1ヶ月1万円でどうやって過ごせばいいのでしょう。
「ごはんだって家にあるし。」
そりゃね。
「お酒だって家にあるし。」
はい。そのとおり。
「それ以外になにが不満?」
なにって・・。21歳の若者に1ヶ月1万円っつうことが無理難題でしょ。
世の中のお父さん方。本当に大変なんだなぁと感じるタイミングでもありました。
お小遣いをもらった日の俺の日課は毎月決まっておりました。
はい。増やしにいきます。
どうやって増やすかって?全然現実的ではないですよ?
だって行き先はパチンコ屋。
今考えたら何してたんだろうと思うのですが、そのときは本当に運があったせいか、手持ちがなくなりそうなときにパチンコ屋にいけば、それば10万以上に確実になっていたのです。
ああ・・。AT機がなつかしい・・・。
その日もなけなしの1万円を握りしめて、当時人気台であった"サラ金"へ。
投資7千円にて、何も変化なし。
残り3千円で1ヶ月持つわけがないので、そのまま続行。
その強行が功を奏し、収支13万なり。
ダイ○ムさん、ありがとう!
ウハウハでゆうやに電話です。
「今日何時から集まるんだ?♪」
「お?でれそうか。一応6時からだけどさ。」
「ん。じゃもうお前の家向かうわ」
6時ちょっと前にゆうや家に到着。
「今日どこでやるん?」
「ああ。まぁ一緒にいきゃわかるわ。」
って、運転俺ですけどね。
向かった先は大学野球部御用達の焼肉屋でした。
俺が店のドアを開けます。
「おひさしぶりで~~す・・。」
パンパン。
なんだ?!
『お子さん誕生おめでとう!!』
野球部の連中でした。
「よかったな!おめでとう!!」
「今度学校つれてこいよ!」
「お前に似てないよな?似てたら最悪だ。」
「うん。女好き決定だな。」
「うん。馬鹿決定だな。」
「うん。人間としても痛いな。」
最後は全然祝いの言葉とは異なっております。
「ありがとうな!」
「いいって。いいって。友達だろ?」
「うん。がんばったの嫁さんだし。」
「うん。お前なにもしてないし。」
「うん。お前ただ出しただけだし。」
「うん。気持ちよかっただけだし。」
これって祝いの席ですよね?
「まぁすわれよ」
ゆうやが案内してくれます。
久々に大学の連中との飲み会ということもあり、盛り上がること盛り上がること。
基本、俺に飲ませるってコンセプトは変わらないのですが、俺もそんなに弱くないほうでしたので、一向につぶれる気配はありません。
時間がたつにつれて一人、また一人とその場に寝だすやつら。
「ったく。しょうがねーな。主賓より先につぶれるなよ。」
「いいんじゃね?お前のことは俺らのことだから。」
ゆうやが話をしてくれます。
「俺な。本当にうれしかった。」
「・・そか。」
俺のことを自分のことのように感じてくれている仲間がいることが、どれだけ幸せでしょうか。
「こうやって酒飲むのも久しぶりだな。」
「そうだな。」
屋台で話す親父達みたいにしんみり話しこんでいます。
「まぁ俺らはいつでもお前の味方だからさ。好きにやれよ。」
「例え、今がだめになったとしても、そんときはそんときだし。」
「だからってお前を見捨てたり、突き放したりしない。」
「悪いことは悪いでしっかりいうけどさ。前みたいにな。」
「あははは。もうねーよ。」
「うん。そう信じてる。俺の親友だからな。」
「ゆうや・・・。」
感極まりすぎて、涙が出そうになったときです。
ザバー。
え?!つめて!
「あはははは!なにしてんだよ~~!!」
酒に酔っ払った俺ら野球部1年のキャプテンのつぶくがアイスペールを俺とゆうやにかけたのです。
もうそこらじゅう氷と水びたし。
「つめてっ!このやろー!!」
「あはははははは。」
床に落ちた氷でいきなりの雪合戦ならぬ、氷合戦開始。
全員野球部ってこともあり、コントロールのいいこといいこと。
投げているものが氷ですので、あったったときはかなり痛い!
急所に命中したやつなど、その場に崩れ落ちます。
その氷合戦をちょっと離れたところで見ていた、その店でバイトしている野球部のやつがいました。
※こいつも大学を途中でやめるので詳細はふせておきます。
「あ~ぁ。これ親方にどやされるぞ~。」
などと、人事で我関せずと煙草をふかしておりました。
が、一番の深手を負ったのは彼でした。
「え!?いて!!」
いきなりお尻を押さえて前のめりに倒れる彼。
あまりの突然の出来事に氷合戦も一時中断。
彼の立っていた暖簾の後ろから包丁を持った親方が登場。
ん・・・?
「てめ!友達がもめてんのになに煙草すってんだ!!」
「さっさととめねぇか!!」
肉を切る細長い包丁でお尻を刺されたようです。
酔いに任せて氷合戦していた俺らもそれには真っ青。
「・・・すいません。親方・・・。いてぇ・・」
「そりゃそうだ。おもいっきりさしたからな。わはははは!」
全然笑い事じゃないんですけど・・。親方。
何も言われることなく、床掃除を始める俺らなのでした。
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