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【2018/08/18 02:13 】 |
~誕生~ その⑨

ボールを受け取り、初めて本気でレースに挑む俺。
3m先にはガタイのいいAチームがいます。
なんなく追いつく俺でしたが、

「先にはいかせねぇよ!」
さすがに体でブロックしてきます。

おまえなんかにかまってる暇なんかない!

「おい」
「あ?」
相手がこっちを右にちょっと振り向いた瞬間。
即座の切り替えしで相手のインコースの左側をすっとかわします。

「あっ!」
気づいたときんはすでに遅く、もう隣に並んでいます。

足の速さなら完全に俺に分があるため、並ばれてしまってはもう後の祭り。
簡単に追い抜かすことができました。

残すは1位のDチーム。グラウンド半周が過ぎた時点でまだ半周差。
Aチームの妨害がひびきます。

しかしDチームもよくよく見るとそんなに早くない。

走りながらわかったことですが、Dチームは第3走者までが早いだけでアンカーは並。
最初につけた大差によって決勝まで進んできた様子。

これならいける・・・か?!

ボールをもって3歩以上歩かないようにと、細心の注意をはらいながら。
それでも自分の中でできる限り早く。

前の選手を見ると追いかけたい願望がでてくるため、極力前は見ないで、ボールと足元の石に目線をやりながら。
1周したとこでその差は目の前5mほどに。

歓声が鳴り響きます。

でもそのとき俺にはその歓声が一瞬やんだように思えました。
カーブに入りかけたときに上げた目線の先には。
みぃみちゃん。

”がんばれーーー!”

歓声のせいで聞こえるはずもなく、唇を読んだわけでもなく、
それでもしっかりと、すぐそばにいるかのような声が俺には聞こえていました。

俺は右手ドリブルを左手ドリブルに切り替えて
大きく右拳の突き出しました。

傍から見たら気合入れたようにも見えるのですが、俺からみぃみちゃんへの無言のメッセージでした。
それを感じ取ってくれたのか、彼女は満面の笑みを俺に返してくれました。

そしてそれは俺をさらに奮い立たせるのに十分だったのです。
レースも残り半周。差は5m程度。

気合を入れなおした俺にとって、それはないものに等しかったのです。
しかし相手も越されたくない気持ちでは負けておらず、最後の足掻きです。

俺をどうにか前にいかせないようにと、体を左右に振りながらドリブルをしています。
さっきのAチームとは違い、こっちの動きを確認しないでの妨害ゆえ、こっちのフェイントなどにかかるはずもなく。
しかし、真っすぐ走るのと、左右に揺れながら走るのでは速度は全く違います。

真後ろにはすぐにつけたものの、いよいよ抜かすとなると困難でした。

やばい。前にでれない・・・!

そのときです。
左右に揺れてすぎていたせいか、前のランナーの体が右に流れます。
俺の体も右側に流れかけていたため、切り替えしていては間に合わない。
ここぞとばかりに、バスケで言う「ターンドリブル」うまくで隣に並びました。

溢れる歓声。

ゴールまで3m。
速さでは俺のほうが上。

残り1m。
半身俺が抜け出します。

勝った!!!

そう思ったときです。
俺の横になにか飛んできました。

え?ボール?
なんでボールが飛んでくる?

振り返るとDチームの走者が誤って足でボールをけってしまったようです。

しかし、レースというのはテープを最初に切ったものが優勝です。
もしこのレースにおいてボールも体の一部であるのならば・・・
しかもボールをけったのがパス可能な1m範囲にはいってから・・・

まずい!!

最後の力をしぼって踏み出した1足とボールがテープを切った瞬間

ばんっ!

スタート銃の音がなりました。

歓声が一瞬で鳴り止みます。
静まり返ったグラウンドのゴールの中、自分の心臓の音だけが聞こえています。

どっちだ・・・


”優勝は・・・・Dチーム!!”


再び歓声。
唖然とするCチーム。

「なんでだよっ!」
俺が言葉を発する前に

「ふざけんなっ!!!」
ひでみちゃん。

「こっちのほうが早かったじゃん!」
しかし、そんな言葉も周りの歓声でかき消されます。
「なんで・・・・なんでだよぉぉ・・・」
壮絶なるレース展開だったゆえの悔しさ。


「本当にすまなかった・・・」
ブルーがみんなに謝ります。

「いや・・あれはしょうがないですよ」
俺がいいます。

「うんうん」
「ありゃしょうがない」
残りのヒデミンジャーも。

「子供に怪我させなかっただけよしとしないとね」
そして、ひでみちゃん。

俺たちがグラウンドをあとにして、自分達のテントに戻ろうとしたときです。

 

”すごかったぞ~~~!!”

”おつかれさま~~~!!!!”

”おしかったなぁ~~!!!”


表彰されているDチームをほったらかしで、俺らCチームへの歓声が上がります。

チームのまとめ役、活力になって先頭を切ったひでみちゃん。
動機は不純でも、力の限りがんばってくれたヒデミンジャー。

そのすべてがレースを通じて、会場につたわっていたのです。

拍手と歓声の波に飲み込まれる俺ら。

あと一歩届かなかった・・・
あと数十cmで勝てたのに・・
悔しいはずなのに・・・
割れんばかりの歓声に、うれしさがこみ上げます。

俺の横でひでみちゃんは泣いています。
これだけ賞賛を得ているんです。
感動もするはず。

「大丈夫?」
声をかける俺。

「うん。でも・・・」
「でも・・・?」

「6.0倍が・・・・・・。わ~~~ん」

そっち?


→~誕生~その⑩へ


※メイポ記事がなくなる予感・・・@@

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【2009/03/28 12:47 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(2) | トラックバック(0)
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有り難いご意見
無題
密かに毎回楽しみにしてるぞw
【2009/03/31 05:37】| | ○ーる #5549916707 [ 編集 ]


無題
読んでたのかww
それはそれは・・・。
ちょいちょい更新していきますよb
そのうち本になったりして?!
【2009/03/31 12:49】| | ちゅぼ #9914e4b2ec [ 編集 ]


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