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【2024/04/20 17:19 】 |
~移り行くものと変わらぬ気持ち~ 第2話

※当時の話の再現です

ここは昭和53年の4月。
普段と変わらない天気のよい午後のことです。

ジリリリリリ!
ジリリリリリリリ!

「はい。株式会社○○です~」
電話に出る親父。

「なんだ。お袋か。どうした?」

「え?」

「本当か!?」

「わ、わかった!すぐいく!!!」


「おー。どうした?慌てて。」
「子供!!」

「あ?」
「生まれた!女の子だ!!」
自分のはじめての子供が生まれたことで、俺の親父はかなり浮かれておりました。
大慌てで家まで車を飛ばします。


普通の会社員がこんな昼間に帰ってくるわけがありませんので、近所の人たちが、何事かと家の前に集まり始めました。
「おー。こんなに早くどうした?」
「ああ!生まれたんだよ!!」

「あ?生まれた?」
「子供!」

「なんだって?!」
「お!生まれたか!?おめでとう!!」
「いや~。よかったなぁ!」
田舎というものは、噂の広がる速度の速いこと速いこと。
あっというまにご近所さんが大集まり。

「よかった。とかった」
「いやいや。ありがとうございます♪」
「今日は酒盛りだ!!!」
昼間だっていうのに酒盛り開始。

明日母親が退院するというのに、飲めや歌えやの大宴会です。
それほど酒に強くない親父は、それこそ2時間くらいで出来上がってしまいます。
事件はそのあと起きたのです。

 

→→→→


翌日、母親を親父が迎えに言ったときのこと。

「がんばったなぁ。」
「あなた。女の子でごめんなさい・・。」
昔は跡取りを生まない嫁は、嫌われるといった時代もありました。

「まぁ。女の子でもいいじゃないか。次があるんだしな。」
「ありがとう・・・。」
母親は親父の優しさがうれしかったのです。

「あ。それとこれな。」
「え?なになに?」
戸籍謄本を手渡した親父。

「なんで戸籍謄本?」
中を見る母親。

"長女 加菜"

「名前付けてきたから」
「はぁぁぁあああ?!?!」
そりゃ母親もびっくりしますよね。

 

←←←←


「飲みすぎた~」
酔いを醒ますために外にでて散歩をする親父。
とことこ歩いているうちに町役場の前につきました。

「お。そうだ。名前つけるかぁ~♪」
町役場の中にはいっていく親父。

「娘の名前きめにきたんだけど~?」
「ええ!おめでとうございます!!」

「いや~。それほどでも~。」
別にあんたをほめてないから。

「んで。何書けばいいんだ?」
「これに書いてもらって~・・」

 

→→→→


「本っ当なに考えてるの?!」
「ごめんなさい・・・でも良い名前だろ・・・?」

「そんなことは関係ない!!!」
「・・・はい。」

「私の初めての子供なのよ?」
「・・・はい。」

「なんで勝手に決めるわけ?」
「・・・ごめんなさい。」

「謝ってすむなら警察いらな~~い!」
「・・ごもっともです。」

「次は私が決めるから!」
「・・・・はい。」

 

 

→→→→→→→→→→→→


「そんな話聞いちゃったら、簡単になんかつけれなくなるでしょ?!」
「そうだ・・よね。」

「本当になに考えてるんだか!」
同じように妻に怒られる俺。

俺・・怒られるこしてないんですけど・・・
 


→~移り行くものと変わらぬ気持ち~ 第3話へ 

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【2009/04/21 10:55 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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