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【2025/07/13 22:00 】 |
~誕生~ その⑨

ボールを受け取り、初めて本気でレースに挑む俺。
3m先にはガタイのいいAチームがいます。
なんなく追いつく俺でしたが、

「先にはいかせねぇよ!」
さすがに体でブロックしてきます。

おまえなんかにかまってる暇なんかない!

「おい」
「あ?」
相手がこっちを右にちょっと振り向いた瞬間。
即座の切り替えしで相手のインコースの左側をすっとかわします。

「あっ!」
気づいたときんはすでに遅く、もう隣に並んでいます。

足の速さなら完全に俺に分があるため、並ばれてしまってはもう後の祭り。
簡単に追い抜かすことができました。

残すは1位のDチーム。グラウンド半周が過ぎた時点でまだ半周差。
Aチームの妨害がひびきます。

しかしDチームもよくよく見るとそんなに早くない。

走りながらわかったことですが、Dチームは第3走者までが早いだけでアンカーは並。
最初につけた大差によって決勝まで進んできた様子。

これならいける・・・か?!

ボールをもって3歩以上歩かないようにと、細心の注意をはらいながら。
それでも自分の中でできる限り早く。

前の選手を見ると追いかけたい願望がでてくるため、極力前は見ないで、ボールと足元の石に目線をやりながら。
1周したとこでその差は目の前5mほどに。

歓声が鳴り響きます。

でもそのとき俺にはその歓声が一瞬やんだように思えました。
カーブに入りかけたときに上げた目線の先には。
みぃみちゃん。

”がんばれーーー!”

歓声のせいで聞こえるはずもなく、唇を読んだわけでもなく、
それでもしっかりと、すぐそばにいるかのような声が俺には聞こえていました。

俺は右手ドリブルを左手ドリブルに切り替えて
大きく右拳の突き出しました。

傍から見たら気合入れたようにも見えるのですが、俺からみぃみちゃんへの無言のメッセージでした。
それを感じ取ってくれたのか、彼女は満面の笑みを俺に返してくれました。

そしてそれは俺をさらに奮い立たせるのに十分だったのです。
レースも残り半周。差は5m程度。

気合を入れなおした俺にとって、それはないものに等しかったのです。
しかし相手も越されたくない気持ちでは負けておらず、最後の足掻きです。

俺をどうにか前にいかせないようにと、体を左右に振りながらドリブルをしています。
さっきのAチームとは違い、こっちの動きを確認しないでの妨害ゆえ、こっちのフェイントなどにかかるはずもなく。
しかし、真っすぐ走るのと、左右に揺れながら走るのでは速度は全く違います。

真後ろにはすぐにつけたものの、いよいよ抜かすとなると困難でした。

やばい。前にでれない・・・!

そのときです。
左右に揺れてすぎていたせいか、前のランナーの体が右に流れます。
俺の体も右側に流れかけていたため、切り替えしていては間に合わない。
ここぞとばかりに、バスケで言う「ターンドリブル」うまくで隣に並びました。

溢れる歓声。

ゴールまで3m。
速さでは俺のほうが上。

残り1m。
半身俺が抜け出します。

勝った!!!

そう思ったときです。
俺の横になにか飛んできました。

え?ボール?
なんでボールが飛んでくる?

振り返るとDチームの走者が誤って足でボールをけってしまったようです。

しかし、レースというのはテープを最初に切ったものが優勝です。
もしこのレースにおいてボールも体の一部であるのならば・・・
しかもボールをけったのがパス可能な1m範囲にはいってから・・・

まずい!!

最後の力をしぼって踏み出した1足とボールがテープを切った瞬間

ばんっ!

スタート銃の音がなりました。

歓声が一瞬で鳴り止みます。
静まり返ったグラウンドのゴールの中、自分の心臓の音だけが聞こえています。

どっちだ・・・


”優勝は・・・・Dチーム!!”


再び歓声。
唖然とするCチーム。

「なんでだよっ!」
俺が言葉を発する前に

「ふざけんなっ!!!」
ひでみちゃん。

「こっちのほうが早かったじゃん!」
しかし、そんな言葉も周りの歓声でかき消されます。
「なんで・・・・なんでだよぉぉ・・・」
壮絶なるレース展開だったゆえの悔しさ。


「本当にすまなかった・・・」
ブルーがみんなに謝ります。

「いや・・あれはしょうがないですよ」
俺がいいます。

「うんうん」
「ありゃしょうがない」
残りのヒデミンジャーも。

「子供に怪我させなかっただけよしとしないとね」
そして、ひでみちゃん。

俺たちがグラウンドをあとにして、自分達のテントに戻ろうとしたときです。

 

”すごかったぞ~~~!!”

”おつかれさま~~~!!!!”

”おしかったなぁ~~!!!”


表彰されているDチームをほったらかしで、俺らCチームへの歓声が上がります。

チームのまとめ役、活力になって先頭を切ったひでみちゃん。
動機は不純でも、力の限りがんばってくれたヒデミンジャー。

そのすべてがレースを通じて、会場につたわっていたのです。

拍手と歓声の波に飲み込まれる俺ら。

あと一歩届かなかった・・・
あと数十cmで勝てたのに・・
悔しいはずなのに・・・
割れんばかりの歓声に、うれしさがこみ上げます。

俺の横でひでみちゃんは泣いています。
これだけ賞賛を得ているんです。
感動もするはず。

「大丈夫?」
声をかける俺。

「うん。でも・・・」
「でも・・・?」

「6.0倍が・・・・・・。わ~~~ん」

そっち?


→~誕生~その⑩へ


※メイポ記事がなくなる予感・・・@@

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【2009/03/28 12:47 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(2) | トラックバック()
~誕生~ その⑧

さすがのOS3?ヒデミンジャー?も決勝戦ともなると緊張するようで。

「勝てるかな~・・」
「あそこ強そうだな・・」
「あっちなんかみんな若い・・・」
こんな調子です。さっきまでの気合はどこへやら。

それもそのはず。いくら気合が入っていたからといっても、皆さん4,50代。
体力的にも限界が近づいてきている様子。

「2人でなんとかするしかないわね・・・」
小声で俺に話しかけるひでみちゃん。

本心はさておいて、
「気合足りなくない?」
『う~~~ん・・・』
意気消沈気味のヒデミンジャー。

「『ちゅ~』は・・・」

『がんばりますっっ!!!』
ばかです。本当に男って・・・。

まさに”目の前ににんじんをつりさげられた馬”状態。
目先の利益に気をとられてすぎです。


”ドリブルリレーの決勝戦を行います。
 参加されるチームはグラウンド中央にお集まりください。”

いよいよ決勝戦がはじまります。
決勝戦に駒を進めるだけあって、やはり手強そうです。

Aチームはガタイがよく、平均年齢も34,5歳。スピードはなさそうですが前に入られたらうるさそう。

Bチームは100m走で優勝した選手がはいっています。なにがなくとも早い早い。

Cチームは俺たちです。平均年齢は俺のせいでそこまで高くないのですが、体力に難あり。

Dチームは優勝候補No.1。平均年齢28歳と若さ爆発。
(実際のチームは色で分けられていたのですが、ヒデミンジャーで色をつかっているのでわけがわからなくなるため、A~Dで仮表現しております。)

決して賭け事をしていたわけではありませんが、倍率は
A:4.0 B:3.5 C:6.0 D:1.5 くらいです。
重ねていいますが、一切賭け事はしていませんから。
例え話ですよ?例え話。

「6.0か・・・まぁまぁね」
「ひでみちゃん。それってどれくらい?」
俺とひでみちゃんの間でリレーとは関係のない会話が進みます。

「う~~ん・・まぁ1週間分くらいじゃない?」
「まじで?!そんなに!?」
「うんうん♪」
「おぉぉぉおお!」

『?』

俺のこの燃えようにヒデミンジャーはきょとん。

「あ・・みなさん!あと1回で優勝ですよっ!」
『うん・・・』

「ちゅ~はいいんですか?」
『がんばるっ!!!』
本当ばか。

 

”只今からドリブルリレー決勝戦を行います。”
スタートの時間がやってきました。

”位置について。よ~~~~い”
ばんっ
スタート銃の音と同時に4人は一斉にスタート。

一番にカーブに飛び込んだのは、我らがひでみちゃん。
しかし、今までの試合とは違って、後続をはなすことができません。
それでもさすがはひでみちゃん。しっかり1位をキープしたまま2番手へつなぎます。

レッドにボールが渡ったときでした。
レッドの向こう側でこっちを見ている一人の女性に気づきました。
ん?誰だろう?見たことあるような・・・

離れているため、はっきりわからなかったのです。

その間にレッドはDチームに抜かれて2位に後退。
それ以上順位を落とすことなく、俺の目の前で3番手のホワイトにボールがわたります。
やっぱ早いな・・・

と、同時にひでみちゃんが戻ってきました。
「やっぱりはやいね~」
「うんうん。ちょっときびしいかな~」
「はい。これ。」
ひでみちゃんは俺に何かを渡しました。
ん?髪とめ??

「なにこれ?」
「うんと。みぃみが渡せって。」
はい?

「走ってるとき髪が邪魔そうだからって。」

さっきレッドの後ろに見えていた女性はみぃみちゃんだったのでした。

彼女の優しさが心にしみていたころ、レースといえば。
なんとか3位には後退しないでうまいこと走っているホワイトですが、1位とは距離が離れてきています。
今のところの順位としては、D>>>俺ら・B>Aといった感じ。
さらに状況はまずくなっています。

ホワイトからブルーにボールが渡ったときでした。

ピピピーーーー

まさか・・・

「青パス範囲っ!!」

よかった・・・うちじゃない・・・

しかしこれでBチーム失格です。
気持ちはわからないことはないです。決勝戦といえど1位と距離ができすぎ。
2位と1位でグラウンド1/4くらいあいています。
こちらの走者もブルー。一瞬あせりましたが、失格でないだけ安心かと思ったとき。

わぁぁぁー!!!

歓声が上がります。悲鳴交じりの。
なんと先頭がこけていました。これはまさに奇跡!

いけブルー!ぬかせブルー!!
チャンスと思ったのはブルーも一緒で、

「うおぉぉぉぉぉおおおお!」
気合満々爆進中です。

これならいける!
確信にも似た自信が俺の中にみなぎってきました。
しかし、本当の悪夢はこのあとだったのです。

『ぱぱ~!!!』

ちっちゃな男の子がレースに乱入してきたのです。
しかもブルーの走っている目の前。

「あぶないっ!!!」

悲鳴があります。
間一髪。なんとか交わしたブルー。
しかし、そのときに足をひねったらしくまともに走ることができていません。

先頭を走っていたランナーのお子さんらしく、パパが元気に走っている姿が確認すると同時に、自分のテントに向かってかけていっていました。

よかった・・・怪我なくて。

ほっと安堵したのもつかの間、今度はAチームに抜かれてしまいました。
しょうがない事態とはいえ、落胆を隠せない俺ら。

でも、まだ負けが決まったわけじゃない。

みぃみちゃんが渡してくれた髪とめで前髪をちょんまげにして、気合を入れなおします。

「俺がなんとかするから」
ひでみちゃんにだけ伝えます。

「ごめんな。本当にごめんな。」
足を引きずりながらブルーは謝ります。

「おつかれっす!あとは俺がなんとかしますっ!!」
ボールを受け取って即効ダッシュ。

そのとき1位とはグラウンド半周近くも離れていたのでした。



→~誕生~その⑨へ
 

【2009/03/27 16:11 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
~誕生~ その⑦

燃えに燃えているおっさん3人衆です。

「君!絶対優勝するよっ!!」
「足ひっぱんじゃねーぞっ!」
「こけたりしたらわかってんだろうな?!」
なにもしていないのにすごい言われようです。

しかし、男ってのはいつの時代も変わらないですね。
さっきまでのネガティブ志向はどこへやら。
当のひでみちゃんは、「うんうん♪」などとのんきなもので。

予選も第1組、2組を終わりまして、俺らが出場する第3組がはじまる時間です。

「みんな!がんばろうねっ♪」
『おぉぉぉおおおっ!!!』
歓声をかき消すかのごとく、OS3(=おっさん3人衆)の怒涛の掛け声。

「・・・・おぉ」
『やる気あんのか?!?!』

ありますよ・・あんたらがすごいだけじゃん・・・。
恐るべし「ひでみちゃんのちゅー権利」。

そんな気合満々のOS3がいますから、予選なんてものは圧勝も圧勝。

第1走者:ひでみちゃんが抜群のスタートをきめてくれます。
1馬身?1人身?はなして2番手へ。

第2走者;OS3レッド(赤いTシャツなので)も、猪のようなダッシュ力。
しかし、「猪突猛進」とはこれのこと。急には曲がれません。
カーブではかなり減速しております。
でも直線の早いこと早いこと。
3番手に渡すときには、さっきの3倍近くはなれておりました。

第3走者:OS3ホワイト(白いTシャツなので)は速度は並。
でも、小技が光ります。ついでに頭も光っています。
カーブの曲がり方なんぞピカ一。頭なんぞぴっかぴか。
流れるようにカーブを曲がっていきます。額の汗もきれいなカーブを流れます。
グラウンドの4分の1くらいの差をもって4番手へ。

第4走者:OS3ブルー(説明なし)においては、正直人数あわせ的はところが多かったのですが。
ファイト一発!ならぬ、気合一発。
「うぉぉぉおぉおおおおおお!!!」
気合というか、すでに雄たけびです。
その迫力にやられてか、他との差はグラウンド半周に。
最後のボールパスを受け取り、アンカーの俺が走り出しました。

アンカーの俺は歩いてでも平気なんじゃないかってくらいに他から離れまくっていて。

『ちんたら走んなぁぁぁあああああ!!!』
OS3は味方に対しても厳しい模様。

こんなもんときはこけないように、失格にならないように走ったほうが懸命です。
そんな人の気持ちを理解してくれるはずもなく。
俺の横に並走してくれちゃってます。
TV中継のマラソンの横で走っている人のごとく。
隣で走りながら俺に声をかけてくれているわけですが、
「がんばれ」などの激励ではなく、完全なる叱咤のみで。

無事準決勝に進むことができました。

『おっしゃぁぁぁあああああ!!』

喜び方も半端ないわけで。
当のひでみちゃんは
「うふふ♪」
不敵に笑っています。
俺にはそれが不敵でも、OS3には勝利の女神のようにでも見えていることでしょう。

こいつらの子供じゃなくて本当によかった。
と、心底感じるタイミングでもありました。

予選は4組の中から上位2チームが準決勝に進みます。
準決勝でも上位2チームが選出されて、4チームでの決勝戦を行います。
ある程度早いチームが準決勝にあがってくるわけですから
そうも簡単にいかないだろうと思われた準決勝。

いつものようにスタートダッシュを決めるひでみちゃん。
猪男のレッド。いぶし銀のホワイト。気合のブルー。
OS3のがんばりも凄まじいものがあります。
アンカーの俺からすると、それまでのリードが大変なものであるため、いつも余裕をかましているように見えるらしく。
『こらぁぁぁああ!真剣にやれーーーー!!!』
どやされてばっかり。

そんなこんなで、これまた圧勝。
ここまでくると、さすがOS3。
レッド・ホワイト・ブルーの「親父戦隊ヒデミンジャー」。
ちょっとかっこよく、尊敬にも値します。

「おっしゃぁぁぁぁああ!」
「あと1回だっ」
「そうだな!あと1回勝てば・・・」

『ちゅ~~~~~~♪』

前言撤回。



→~誕生~その⑧へ


<管理人より一言>
なにやら暇つぶしといいながらも、何気に読んで頂けてる話を耳にしますと、うれしくなるものです。
ある方には話しをしましたけれども、今のところノンフィクションでのお話となっておりますゆえ、もしかしたら「あ。なんか知ってる」とか感づく方もいらっしゃるかもしれませんが、どうぞご内密にお願い致します。

【2009/03/25 11:28 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
勲章:ベテランハンター<追記>

ももcが書いてくれたコメントに

ご返答をしようと思ったら

思いのほかながくなってしまったので

追記という形に変えます。
 

【2009/03/24 16:34 】 | メイプルストーリー | 有り難いご意見(2) | トラックバック()
勲章

こんちわ。

 

勲章に関してのまとめです。

勲章の能力はこちら
(引用:MapleStoryDrop-wiki様)
 

【2009/03/24 12:55 】 | メイプルストーリー | 有り難いご意見(1) | トラックバック()
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