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ボールを受け取り、初めて本気でレースに挑む俺。 「先にはいかせねぇよ!」 おまえなんかにかまってる暇なんかない! 「おい」 「あっ!」 足の速さなら完全に俺に分があるため、並ばれてしまってはもう後の祭り。 残すは1位のDチーム。グラウンド半周が過ぎた時点でまだ半周差。 しかしDチームもよくよく見るとそんなに早くない。 走りながらわかったことですが、Dチームは第3走者までが早いだけでアンカーは並。 これならいける・・・か?! ボールをもって3歩以上歩かないようにと、細心の注意をはらいながら。 前の選手を見ると追いかけたい願望がでてくるため、極力前は見ないで、ボールと足元の石に目線をやりながら。 歓声が鳴り響きます。 でもそのとき俺にはその歓声が一瞬やんだように思えました。 ”がんばれーーー!” 歓声のせいで聞こえるはずもなく、唇を読んだわけでもなく、 俺は右手ドリブルを左手ドリブルに切り替えて 傍から見たら気合入れたようにも見えるのですが、俺からみぃみちゃんへの無言のメッセージでした。 そしてそれは俺をさらに奮い立たせるのに十分だったのです。 気合を入れなおした俺にとって、それはないものに等しかったのです。 俺をどうにか前にいかせないようにと、体を左右に振りながらドリブルをしています。 真後ろにはすぐにつけたものの、いよいよ抜かすとなると困難でした。 やばい。前にでれない・・・! そのときです。 溢れる歓声。 ゴールまで3m。 残り1m。 勝った!!! そう思ったときです。 え?ボール? 振り返るとDチームの走者が誤って足でボールをけってしまったようです。 しかし、レースというのはテープを最初に切ったものが優勝です。 まずい!! 最後の力をしぼって踏み出した1足とボールがテープを切った瞬間 ばんっ! スタート銃の音がなりました。 歓声が一瞬で鳴り止みます。 どっちだ・・・
「なんでだよっ!」 「ふざけんなっ!!!」 「こっちのほうが早かったじゃん!」
「いや・・あれはしょうがないですよ」 「うんうん」 「子供に怪我させなかっただけよしとしないとね」 俺たちがグラウンドをあとにして、自分達のテントに戻ろうとしたときです。
”すごかったぞ~~~!!” ”おつかれさま~~~!!!!” ”おしかったなぁ~~!!!”
チームのまとめ役、活力になって先頭を切ったひでみちゃん。 そのすべてがレースを通じて、会場につたわっていたのです。 拍手と歓声の波に飲み込まれる俺ら。 あと一歩届かなかった・・・ 俺の横でひでみちゃんは泣いています。 「大丈夫?」 「うん。でも・・・」 「6.0倍が・・・・・・。わ~~~ん」 そっち?
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さすがのOS3?ヒデミンジャー?も決勝戦ともなると緊張するようで。 「勝てるかな~・・」 それもそのはず。いくら気合が入っていたからといっても、皆さん4,50代。 「2人でなんとかするしかないわね・・・」 本心はさておいて、 「『ちゅ~』は・・・」 『がんばりますっっ!!!』 まさに”目の前ににんじんをつりさげられた馬”状態。
いよいよ決勝戦がはじまります。 Aチームはガタイがよく、平均年齢も34,5歳。スピードはなさそうですが前に入られたらうるさそう。 Bチームは100m走で優勝した選手がはいっています。なにがなくとも早い早い。 Cチームは俺たちです。平均年齢は俺のせいでそこまで高くないのですが、体力に難あり。 Dチームは優勝候補No.1。平均年齢28歳と若さ爆発。 決して賭け事をしていたわけではありませんが、倍率は 「6.0か・・・まぁまぁね」 「う~~ん・・まぁ1週間分くらいじゃない?」 『?』 俺のこの燃えようにヒデミンジャーはきょとん。 「あ・・みなさん!あと1回で優勝ですよっ!」 「ちゅ~はいいんですか?」
”只今からドリブルリレー決勝戦を行います。” ”位置について。よ~~~~い” 一番にカーブに飛び込んだのは、我らがひでみちゃん。 レッドにボールが渡ったときでした。 離れているため、はっきりわからなかったのです。 その間にレッドはDチームに抜かれて2位に後退。 と、同時にひでみちゃんが戻ってきました。 「なにこれ?」 「走ってるとき髪が邪魔そうだからって。」 さっきレッドの後ろに見えていた女性はみぃみちゃんだったのでした。 彼女の優しさが心にしみていたころ、レースといえば。 ホワイトからブルーにボールが渡ったときでした。 ピピピーーーー まさか・・・ 「青パス範囲っ!!」 よかった・・・うちじゃない・・・ しかしこれでBチーム失格です。 わぁぁぁー!!! 歓声が上がります。悲鳴交じりの。 いけブルー!ぬかせブルー!! 「うおぉぉぉぉぉおおおお!」 これならいける! 『ぱぱ~!!!』 ちっちゃな男の子がレースに乱入してきたのです。 「あぶないっ!!!」 悲鳴があります。 先頭を走っていたランナーのお子さんらしく、パパが元気に走っている姿が確認すると同時に、自分のテントに向かってかけていっていました。 よかった・・・怪我なくて。 ほっと安堵したのもつかの間、今度はAチームに抜かれてしまいました。 でも、まだ負けが決まったわけじゃない。 みぃみちゃんが渡してくれた髪とめで前髪をちょんまげにして、気合を入れなおします。 「俺がなんとかするから」 「ごめんな。本当にごめんな。」 「おつかれっす!あとは俺がなんとかしますっ!!」 そのとき1位とはグラウンド半周近くも離れていたのでした。 |
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燃えに燃えているおっさん3人衆です。 「君!絶対優勝するよっ!!」 しかし、男ってのはいつの時代も変わらないですね。 予選も第1組、2組を終わりまして、俺らが出場する第3組がはじまる時間です。 「みんな!がんばろうねっ♪」 「・・・・おぉ」 ありますよ・・あんたらがすごいだけじゃん・・・。 そんな気合満々のOS3がいますから、予選なんてものは圧勝も圧勝。 第1走者:ひでみちゃんが抜群のスタートをきめてくれます。 第2走者;OS3レッド(赤いTシャツなので)も、猪のようなダッシュ力。 第3走者:OS3ホワイト(白いTシャツなので)は速度は並。 第4走者:OS3ブルー(説明なし)においては、正直人数あわせ的はところが多かったのですが。 アンカーの俺は歩いてでも平気なんじゃないかってくらいに他から離れまくっていて。 『ちんたら走んなぁぁぁあああああ!!!』 こんなもんときはこけないように、失格にならないように走ったほうが懸命です。 無事準決勝に進むことができました。 『おっしゃぁぁぁあああああ!!』 喜び方も半端ないわけで。 こいつらの子供じゃなくて本当によかった。 予選は4組の中から上位2チームが準決勝に進みます。 いつものようにスタートダッシュを決めるひでみちゃん。 そんなこんなで、これまた圧勝。 「おっしゃぁぁぁぁああ!」 『ちゅ~~~~~~♪』 前言撤回。 |
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ももcが書いてくれたコメントに ご返答をしようと思ったら 思いのほかながくなってしまったので 追記という形に変えます。 |
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