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【2017/11/24 01:49 】 |
~誕生~ その19話

とるものもとりあえず、車に乗り込みます。

"もうすぐ生まれる?"
"俺の子供が生まれる?"

まだまだ子供の俺が子供を授かるということに、今更考えばおいついておらず、意味不明な自問自答を繰り返しながら病院に向かいました。

数分後、病院についた俺は、嫁のいた病室に駆け込みました。
「お義母さん!」
そこには俺の家族は誰一人いませんでした。

どこだ!?どこいけばいい!?

「こっち!!!」
後ろからお義母さんの声です。
すでに嫁は陣痛室へはいっていました。

※子供が生まれるときははじめ陣痛室と言うところで、出産のための準備をします。
そこで子宮口がある程度まで開くのを待ちます。そのあと分娩室へと進みお産を行うわけです。
立会い出産を希望されていない方々でも、この陣痛室には入室可能なのです。

陣痛室にはいると、嫁が悲痛の叫びと共に、ものすごい顔で痛みに耐えています。

「大丈夫か!?」
「痛い・・痛いよぉ・・・」
そういって俺の手を握り締めます。
それの痛いこと痛いこと。

男友達が思いっきり握ったとしても出ないんじゃないか?と思われるぐらいの力の強さです。
陣痛の痛みに必死で耐えている嫁の横で、嫁の握る手の握力の痛みに耐える俺。

陣痛が収まると、痛みも嘘のように消えるため、それこそ普通に話ができます。

「はぁはぁ・・。きて・・くれた・・・んだね・・。・・・ありが・・とう。・・・はぁはぁ」
息も絶え絶えです。
新しい生命を誕生させようとしているわけですから。

「大丈夫か?そばにいるからな!?」
「うん・・。手ぇ・・握ってて・・・ね?」

「うんうん。ちゃんと握ってるから!」

そこに助産婦さん。
「子宮が開いてきたねー。そろそろ分娩室いきますか」
嫁とは立会い出産は行わないという約束をしていましたが、ここまでくると生命の誕生の瞬間を見てみたいという気持ちもでてきます。

「あの!立会いしてもいいですか!?」
「ダメーーーーーー!!!!!!!!!」
あんなに息絶え絶えだった嫁が大声で拒否。

「なんで・・・?」
「嫌だから!!!!」
ものすごい拒否の仕方。

「旦那さん。」
と助産婦さん。

「はい?」
「出産前にお母さん刺激しないでくれる?」

「今からね、新しい命が生まれてこようとしているの。」
「わかってます!」
こっちだってそれくらいわかってる!だから一緒に・・・!

「昔はね。出産でお母さんが命を落とすこともあったのよ?」

「それだけ大変なことを今からするの。」
静かに語りかけてくれます。

「あなたの気持ちはわかるわ。」

「だけどお産は変われないでしょ?」
「・・・・はい。」

「お母さんは強いから。一人でも大丈夫だから。」
「・・・・よろしくお願いします。」

妊婦と助産婦さんだけが通れる扉を使い、嫁は陣痛室から分娩室へと移動していきました。

「いってくる・・・ね・・?」
「うん・・・。」

その扉が閉まりかけていきます。

「がんばれ!!!」

俺の言葉に反応して、右手を上に上げてくれた時、静かに分娩室の扉は閉まりました。
妻の出産がはじまったのです。
 


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【2009/04/15 14:07 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(0) | トラックバック(0)
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