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【2025/07/09 07:14 】 |
~移り行くものと変わらぬ気持ち~ 第2話

※当時の話の再現です

ここは昭和53年の4月。
普段と変わらない天気のよい午後のことです。

ジリリリリリ!
ジリリリリリリリ!

「はい。株式会社○○です~」
電話に出る親父。

「なんだ。お袋か。どうした?」

「え?」

「本当か!?」

「わ、わかった!すぐいく!!!」


「おー。どうした?慌てて。」
「子供!!」

「あ?」
「生まれた!女の子だ!!」
自分のはじめての子供が生まれたことで、俺の親父はかなり浮かれておりました。
大慌てで家まで車を飛ばします。


普通の会社員がこんな昼間に帰ってくるわけがありませんので、近所の人たちが、何事かと家の前に集まり始めました。
「おー。こんなに早くどうした?」
「ああ!生まれたんだよ!!」

「あ?生まれた?」
「子供!」

「なんだって?!」
「お!生まれたか!?おめでとう!!」
「いや~。よかったなぁ!」
田舎というものは、噂の広がる速度の速いこと速いこと。
あっというまにご近所さんが大集まり。

「よかった。とかった」
「いやいや。ありがとうございます♪」
「今日は酒盛りだ!!!」
昼間だっていうのに酒盛り開始。

明日母親が退院するというのに、飲めや歌えやの大宴会です。
それほど酒に強くない親父は、それこそ2時間くらいで出来上がってしまいます。
事件はそのあと起きたのです。

 

→→→→


翌日、母親を親父が迎えに言ったときのこと。

「がんばったなぁ。」
「あなた。女の子でごめんなさい・・。」
昔は跡取りを生まない嫁は、嫌われるといった時代もありました。

「まぁ。女の子でもいいじゃないか。次があるんだしな。」
「ありがとう・・・。」
母親は親父の優しさがうれしかったのです。

「あ。それとこれな。」
「え?なになに?」
戸籍謄本を手渡した親父。

「なんで戸籍謄本?」
中を見る母親。

"長女 加菜"

「名前付けてきたから」
「はぁぁぁあああ?!?!」
そりゃ母親もびっくりしますよね。

 

←←←←


「飲みすぎた~」
酔いを醒ますために外にでて散歩をする親父。
とことこ歩いているうちに町役場の前につきました。

「お。そうだ。名前つけるかぁ~♪」
町役場の中にはいっていく親父。

「娘の名前きめにきたんだけど~?」
「ええ!おめでとうございます!!」

「いや~。それほどでも~。」
別にあんたをほめてないから。

「んで。何書けばいいんだ?」
「これに書いてもらって~・・」

 

→→→→


「本っ当なに考えてるの?!」
「ごめんなさい・・・でも良い名前だろ・・・?」

「そんなことは関係ない!!!」
「・・・はい。」

「私の初めての子供なのよ?」
「・・・はい。」

「なんで勝手に決めるわけ?」
「・・・ごめんなさい。」

「謝ってすむなら警察いらな~~い!」
「・・ごもっともです。」

「次は私が決めるから!」
「・・・・はい。」

 

 

→→→→→→→→→→→→


「そんな話聞いちゃったら、簡単になんかつけれなくなるでしょ?!」
「そうだ・・よね。」

「本当になに考えてるんだか!」
同じように妻に怒られる俺。

俺・・怒られるこしてないんですけど・・・
 


→~移り行くものと変わらぬ気持ち~ 第3話へ 

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【2009/04/21 10:55 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
~移り行くものと変わらぬ気持ち~ 第1話

もうちょっとじらしてからUPしようかな?とか考えていたのですが。
これUPしないとブログに書くこともないので・・・。
もうちょっと待てば「続きかけ!」くらいの請求があるかなーとか、どっかで期待してたりしてなかったりラジマンダリ('

まぁ、どうでもいいことなのでさっくり始めます。






---------------------------------------




「本当にごめん。俺、もうここいれない。」

俺の気持ちを静かに聞いている妻。
アイキはその両親の、いつもと違う様子につかれてしまったのか、いつの間にか寝ていました。

まだこんななのに・・・。

自分で出した結論であることなのに、心をゆさぶられる俺がいました。

 

 

 

~第4章 移り行くものと変わらぬ気持ち~

 

子供が生まれた後にすることといえば、"名前をつける"ですね。
生まれる前から妻は、かなり熱心に名前を考えておりました。

 

←←←←

「名前何がいい?」
「俺が決めることじゃないだろ?」
俺は常々、名前は妻が決めることだと思っておりました。
だってそうでしょう。俺なにもしてないもん。
お腹が大きくなるのも、悪阻で気持ち悪い思いするのも、出産で痛い思いするのも、全部妻です。
俺が『○○がいい~』なんてのーてんきなこといえないと思っていました。

「それでもなんか希望とかないの・・・?」
「希望かぁ~・・・」
最近の流行なのか、当て字で読ませる名前が多くなっていたので、それだけは嫌でした。

学校に入って、先生に
『○○く~~ん?』
『□□で~す・・』
なんて子供の口から訂正させることが嫌だったのです。

「う~~~ん・・・。」
「なんかないの?!」
ちょっとのことですぐ怒ります。
妊娠しているせいか、気が短いったらありゃしません。

「今考えてるんだよ!」
「私はね~。○○がいいと思う♪」
ちょっとのことですぐ機嫌直ります・・・。

「えー。なんかそれ嫌だ。」
「だったらなんか決めてよ!」
だから気ぃ短いって・・

「△△なんかは?」
「△△?それは苗字に合わない字画だからダメ。」
・・・・・・字画ってなんすか。

「じゃあ好きなやつにしろよ。」
「それを二人で考えるんでしょ?!」
めんどくせー。

勝手にやってくれと心底思いましたが、自分の子供の名前なのでそうもいかず。
総画数だの、割れ字だの、天地人画だの、ありとあらゆることを妻はやっていました。

「それじゃ何個か決めて、お寺で見てもらおうよ。」
近くのお寺では、子供につける名前を何個か持っていくと、お払いをしてくれる他に、今後の運勢を占ってくれるような形で、その中から1つ選び出してくれていました。

「自分達で考えりゃいいじゃん。」
「だったらなにがいいの?!?!」
だから気ぃ短すぎだから・・・

 

→→→→


幾つか上がっていた候補の中から、やはり最終的な結論は妻が出すことになっていました。

「う~~~~ん・・・」
「まだ悩んでんの?」
もうすぐ生まれて2週間が経ってしまいます。
このままでは「名無しのゴンベイ」になってしまいます。

「だって・・一生のことでしょ・・?」
「まぁな・・。自分が呼びやすいやつとかでいいんじゃん?」

「だって・・・。あなたがあんなこと言うから決めれなくなっちゃったんじゃん!」
ええ。それはすいませんでした・・。

 

←←←


「どうだ?決まったか?」
「ううん。まだ考えたい。」
一生ものの名前ですから。

「そういえばさ。俺の姉ちゃんの名前って親父が決めたんだよな。」
「そうなんだ。」

「でもさ。姉ちゃんはその名前、すっげぇ嫌ってる。」
「どうして?」
これにはとてもとても悲しい、涙なくしては語れない昔話があるのです・・・。
 


→~移り行くものと変わらぬ気持ち~ 第2話へ 

【2009/04/18 11:50 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
暇つぶし

メイポもやれないことなので小説のあとがきでも書こうかと思ったんですけど

あとがきってなにかけばいいの?

 

書いててこう思ったとか書きゃいいのでしょうか?

それらしきものを書いては見たのですが、この後の第4章のことまで

話しそうになってしまったので、あとがきなしにします。

 


何気に4章も全話かき終わってまして

いつでもUPできる状態ではあるのですけどね。

いかんせん会社PCに保管しているため、休日UPができないという。

 


え?ブログに最初からUPしとけって?

ぁー。それも考えました。

そのほうが断然楽なんですよね。

んでも、これでもブログにはっつける前に1回目を通して

言葉使いのおかしいとことか修正してるんです。
(それでもおかしいかと思いますが・・。

それに、家でまでブログの更新したくないってゆう('

そこからして間違ってるわけですけどね・3・

 


3章を自分で読み返してみると

本当にへたくそな文章作りだなと、改めて思わされますね。

もうちょっと話しにめりはりがあると、読み応えがありそうな気もするのですけどね。

ってこれが、あとがきか('

 

 

今更気が付いたとこで、

気分転換にケータイ用のテンプレでも変更してみました。

興味あるかたはどーぞ。

ケータイにあわせて、PC側も似たようなテンプレにするか検討中です。

(べ、別にりよんの影響じゃないからね!!
 

【2009/04/17 14:49 】 | 独り言 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
またまた・・・・

またまたこのご報告。


ネット止められました。

給料入るまで復活できませぬ。

給料日は25日。

あと9日~・・・。
 

【2009/04/16 13:45 】 | 独り言 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
~誕生~ 最終話

妻が分娩室に入ってからどれだけの時間が流れたのでしょう。
俺は分娩室のドアの前から動くことができずに、ずっと立ち尽くしていました。
考えにふけるわけでもなく、何も考えていないわけでもなく。

ただ、妻と子供の身を案じて。

「煙草でも吸いにいくか?」
お義父さんです。


「今更だけどあの子も人の親になる年になったんだな・・。」
妻のことをいっているようです。

「俺にとっては、まだまだ子供なんだけどなぁ。」
「・・・・」

「おまえもな。心配してもしょうがない。男ならビッとしてろ。」
「・・・・はい。」
返事はしたものの、そんなことができるわけもなく。

「女はすごいから。なんてったって自分で親になれるんだからな。」
・・・・?
いっている意味が理解できませんでした。

「相手が誰であったとしても、女は自分で子供生むだろ?」
「あ・・・」

「うん。自分の腹からでてくるんだからな。」

「でも、男はそうもいかないよな?自分で生めないからな。」
「・・・はい。」

「だから男は子供に親にしてもらうんだ。」
"子供に親にしてもらう"。
こんな考え方をしたことがありませんでした。

「自分から親になれるだけ強いんだよ。女はな。」
「・・・そうですね。」

お義父さんがなにを言いたかったのか、本心の8割以上理解できない状況ではありましたが、それでもその言葉は心に染みました。

喫煙室から戻ってきた俺は、さっきと変わらず分娩室の入り口に立ちました。

「まだまだ時間かかるよ・・?」
後ろのベンチに座っているお義母さんがいいます。

「・・・わかっています。」
「こっちきてゆっくり座ってなさい・・?」
その気遣いがとても嬉しかったのです。

しかし、
「いえ。大丈夫です。立ってますから・・」
「え・・?」

「あいつが中でがんばってるんです。だから・・俺も外で立って待ちます。」

「なんの力にもなれてないですけど、それでも立って待ちます。」
直接目で見たわけではないのですが、後ろからお義母さんの泣く声がもれたような気がしました。

こんなことしてても意味がないことだと、何の役にも立たないことだと、自分でも分かってはいながら。
それでも俺は出産が終わるまでたっていようと。

また、どれくらいの時間が流れたのでしょう。

分娩室の中からかすかに聞こえてくる、先生と助産婦さんと妻のうめき声に似た声。

"がんばれ!"
心でずっとずっと祈り続けていました。

 

オギャ~!!

あ・・・

それは今まで聴いたことのない声でした。
妻でも、先生でも、助産婦さんでもない。

「生まれた・・・・。」
「あの子がんばったね・・。」
俺の後ろでお義父さんと、お義母さんが抱き合っています。

しかし、次第にお義父さんたちの声が聞こえなくなりました。
分娩室の中から聞こえてくる、産声だけが俺の耳に入ってきます。

オギャ~!オギャ~!!
はは・・。すっげぇ泣いてるよ・・。

オギャ~!オギャ~!!
生まれたの、もうわかったよ・・・?

オギャ~!オギャ~!!
・・・・・生まれたんだ

涙が頬を伝います。
何かを思ったわけでもなく、ただただ頬を涙だけが流れていきます。

・・・二人ともがんばったね。
おつかれさま・・・。

よく生まれてきたね・・・。

生まれてきてくれてありがとう・・・。

忙しくなるなぁ・・

お前のために、お父さんがんばるからな・・・

これからよろしくな・・・。


1月だというのに、その日の風は春のような陽気で、冬特有の冷たい乾いたものではなく、穏やかに、緩やかに、涙で塗れた頬を軽く撫でていきます。

俺も親父にしてもらうことができたのです。

 

~誕生~  終わり

ありがとうございました。

 


 

【2009/04/16 13:43 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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