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【2025/07/11 05:44 】 |
~誕生~ その19話

とるものもとりあえず、車に乗り込みます。

"もうすぐ生まれる?"
"俺の子供が生まれる?"

まだまだ子供の俺が子供を授かるということに、今更考えばおいついておらず、意味不明な自問自答を繰り返しながら病院に向かいました。

数分後、病院についた俺は、嫁のいた病室に駆け込みました。
「お義母さん!」
そこには俺の家族は誰一人いませんでした。

どこだ!?どこいけばいい!?

「こっち!!!」
後ろからお義母さんの声です。
すでに嫁は陣痛室へはいっていました。

※子供が生まれるときははじめ陣痛室と言うところで、出産のための準備をします。
そこで子宮口がある程度まで開くのを待ちます。そのあと分娩室へと進みお産を行うわけです。
立会い出産を希望されていない方々でも、この陣痛室には入室可能なのです。

陣痛室にはいると、嫁が悲痛の叫びと共に、ものすごい顔で痛みに耐えています。

「大丈夫か!?」
「痛い・・痛いよぉ・・・」
そういって俺の手を握り締めます。
それの痛いこと痛いこと。

男友達が思いっきり握ったとしても出ないんじゃないか?と思われるぐらいの力の強さです。
陣痛の痛みに必死で耐えている嫁の横で、嫁の握る手の握力の痛みに耐える俺。

陣痛が収まると、痛みも嘘のように消えるため、それこそ普通に話ができます。

「はぁはぁ・・。きて・・くれた・・・んだね・・。・・・ありが・・とう。・・・はぁはぁ」
息も絶え絶えです。
新しい生命を誕生させようとしているわけですから。

「大丈夫か?そばにいるからな!?」
「うん・・。手ぇ・・握ってて・・・ね?」

「うんうん。ちゃんと握ってるから!」

そこに助産婦さん。
「子宮が開いてきたねー。そろそろ分娩室いきますか」
嫁とは立会い出産は行わないという約束をしていましたが、ここまでくると生命の誕生の瞬間を見てみたいという気持ちもでてきます。

「あの!立会いしてもいいですか!?」
「ダメーーーーーー!!!!!!!!!」
あんなに息絶え絶えだった嫁が大声で拒否。

「なんで・・・?」
「嫌だから!!!!」
ものすごい拒否の仕方。

「旦那さん。」
と助産婦さん。

「はい?」
「出産前にお母さん刺激しないでくれる?」

「今からね、新しい命が生まれてこようとしているの。」
「わかってます!」
こっちだってそれくらいわかってる!だから一緒に・・・!

「昔はね。出産でお母さんが命を落とすこともあったのよ?」

「それだけ大変なことを今からするの。」
静かに語りかけてくれます。

「あなたの気持ちはわかるわ。」

「だけどお産は変われないでしょ?」
「・・・・はい。」

「お母さんは強いから。一人でも大丈夫だから。」
「・・・・よろしくお願いします。」

妊婦と助産婦さんだけが通れる扉を使い、嫁は陣痛室から分娩室へと移動していきました。

「いってくる・・・ね・・?」
「うん・・・。」

その扉が閉まりかけていきます。

「がんばれ!!!」

俺の言葉に反応して、右手を上に上げてくれた時、静かに分娩室の扉は閉まりました。
妻の出産がはじまったのです。
 


→~誕生~ 最終話へ 

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【2009/04/15 14:07 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
~誕生~ その18話

そんな出来事から2ヶ月ほど経ちました。

「明日から産婦人科だから」
そうです。もうすぐ生まれそうなのです。
いつ出産してもおかしくない状況になってきていたので、明日から出産に備えて、妻は産婦人科に入院することになっていたのです。

「うん。わかってるよ。」
「ひとりで平気・・?」
自分がいなくなると俺が妻の家族と過ごすことになりますから、それを気にかけてくれたらしく。
もしくはそれだけじゃないのかもしれませんが。

「大丈夫。今は俺のことはいいから、自分のこと考えろよ。」
「うん。ありがとう。」

その日、俺がバイトに行っている間、妻は産婦人科に入院したのです。


一人になって考えていました。
結婚とはなんなのか。出産とはなんなのか。子供とはなんなのか。
もうすぐ生まれるという状況に置かれながら、今更にそんなことを思い返し、自分はなにができるのだろう。
今すべきことはなんであるのだろう。

俺は何をしてあげたらいいんだろう。
俺は今なにをしているんだろう。
両端の心が後に自分だけではなく全てを巻き込み、壊してしまうことになるとは、まだこのときには知るすべもなく。

あのとき、もっと真剣に考えていられれば。

なぜ、もっと自分を追い込まなかった?
なぜ、逃げるようなことをした?
なぜ、今ここにいる?

あの日からすでに5年以上経った現在でも、しばしば考え込むことがあります。
しかし、その当時の俺にはそれが限界だったのだと思います。

時間の経過と共に、俺も少なからず"大人"というものになり、周りが見えて、理解できるようになってきたからこその、"今"。
『過去があったからこそ今がある。過去の一つでも違っていれば、今ここでこうしていられなかったかもしれない。』
それを思い返し、また思い出し、これからに繋げる、繋がるいい経験として心にしまっていこうと思っております。

 

っと、話がずれにずれて何の話をしていたのか・・。
そうです。出産のための入院です。

次の日、着替えなどを頼まれていたことから、病室に顔を出しにいってみました。

「具合どうだ?」
「来てくれたんだ♪」
だってあんたが頼んだんじゃん。

「病院のご飯おいしくない。」
「しょうがないだろ。んでも栄養とか考えられてるんじゃねぇの?」
あまり入院食でうまいって聞いたことはありませんしね。

俺も高校の時、膝の怪我で入院したときにでた食事はお世辞にも上手いものではなかった記憶があります。
この高校のときの入院の話についても時間があれば掲載してみようかと思いますので。

「あなたの作った料理が食べたい♪」
「そか」
妻なりの俺への甘えだったのです。
初産で、不安だらけだったにも関わらず、俺のことを気にかけてくれていたのでした。

そうゆう相手の気持ちに気づけるようになったのも、これから何年も経ってからのことです。
本当にこのときの俺は、馬鹿で、阿呆で、自分のことしか考えてなかったガキでした。

数日が経ち、1日置きくらいに病院に顔を出していたとき、

「明日生まれるかもね。」
お義母さん。

「明日って学校なんだっけ?」
「確かそうですけど。でも1日くらいいかなくても平気です。」
1日とかじゃなくて、普段でもあまりいってないし・・・。

「だめ。ちゃんといきなさい。」
「だって生まれるって・・・。」

「生まれそうになったら、ちゃんと連絡するから、学校いってなさい。」
「・・・・・」

「病院にいても、気が気じゃないだけですることないんだから。」
「はい・・」
病院にきても、妻の気持ちを分かってあげられなくて、自分に苛立ちさえ感じていた俺のことを、お義母さんは理解してくれていたのです。

「煙草吸いにいくか。」
今度はお義父さん。

喫煙所にて、
「こうゆうとき男は何していいかわかんねぇもんだからな。」
「そうですね・・・。」
男同士の会話です。

「まぁ。あせってもしょうがないから、お義母さんにまかせとけ。」
「はい・・。」

その日は連絡がありませんでした。

そしてその次の日も。

またその次の日も。

煮え切らない気持ちのまま、数日がたったある日。
平日であったのですが、受講する授業がなかったため、家でダラダラしていたときのこと。

せかい~にひとつだけ~のは~な~~♪

珍しく俺の携帯がなっております。
しかもこの着信音は身内。
誰だろうと思い、携帯を開くと発信者はお義母さん。

「はい。俺ですけど?」
『あ!はやく!!病院!!!』
慌てていて、話がよくわかりません。

「え?なんです?」
『病院きなさい!生まれるよ!!!』

「えぇ?!」
突然の徴収命令でした。

 
→~誕生~その19話へ 

【2009/04/13 14:57 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
~誕生~ その17話

次の日の朝。

「昨日何時くらいに帰ってきたの?」
朝からご機嫌斜めなお嫁さん。

「ん~・・あんまりよく覚えてない。」
「ふ~~~ん・・・」
ものっそい怒ってらっしゃいます。

しかし、実のところこの頃には、俺の気持ちは嫁には関心があまりありませんでした。
原因は『夫婦生活』です。

妊娠しているとはいえ、妊娠が分かり、一緒に暮らすようになってすでに9ヶ月。
その間一切ありませんでした。
だからといって誰かと浮気をするようなこともしませんでした。

え?みぃみちゃんはどうなんだって?
ちょっとみぃみちゃんについて先に記載しますか。

昨晩あんなことがあったにも関わらず、その後は別に連絡を取り合っていたわけでもなく、彼女には彼女の友達付き合いもあったでしょうし、高校がすこし遠いところにあったため、一人暮らしをしていたので、そこまで一緒にいる時間があったわけでもありません。
たまに2人きりで家の近くの居酒屋に飲みにいくくらいのものでした。
俺としても、そんなにマメに連絡をいれるほうでもなかったので、そのまま何事もないまま時間だけがすぎてしまったといった感じです。

と。話を戻します。

毎日バイト三昧で、1ヶ月のお小遣いは1万円。
大学生がこんなんでやっていけるわけがありません。

それでも、気持ちは離れつつあっても、『子供のため』と大義名分、バイトに勤しんでいました。
そんなバイトの休みのある日の出来事でした。

「ただいま~」
いつもよりもかなり早めの帰宅です。

誰もいないのかな・・?

1階には誰もいませんでした。

おかしいな・・。今日は検診日じゃなかったはずだけど・・・?

「いないの~?」
2階にあがる階段をゆっくり上がっていきました。
そうすると嫁が座って何か作業をしていました。

「なんだ。いるんじゃん。」
・・・・・

返事がありません。
また、なんか怒らせるようなことしたかな・・?

「どうしたん?」
・・・・・

相当怒ってるなー。

「俺なんかした?」
・・・・・

チョキチョキ。
ん?

チョキチョキチョキ。
なんか切ってる?

そーっと、目の前に回ってみると。

「なにしてんの?!」
誰が見ても驚く光景がありました。

大きなカレンダーを日にちごとにきれいに切って、1日から31日まで並べておいていたのです。
それは、なにか呪いの様にも見えたのです。

「なぁ!なにしてんの?」
そういって、嫁の手をつかもうとした時。

「うわぁぁあああ!」
奇声を上げながら、両手で今切っていたカレンダーを俺に向けて投げつけます。
そして、はさみを持ったまま俺に向かってきます。

これはまずい!
咄嗟に嫁に抱きつきました。

少し俺の胸の中でジタバタした後、我に戻ったのか
「私・・・なんかしてた・・・?」
覚えてないのか・・。

「これ・・・なんか切ってたよ・・?」
「あぁ・・・。」

嫁の話によると、朝お義母さんからいらないカレンダーをもらったときに、『この日に妊娠わかったんだよね』という気持ちから、この1年をカレンダーを見ながら振り返っていたとのこと。

自分が妊娠して、だんだんお腹が大きくなって、外に出歩くことも、家の階段の上り下りすることさえも、だんだん辛くなっていっているのに、俺は毎日バイトいけて、大学にもいけて、帰ってきたらお義父さんと一緒にお酒のんで、煙草吸って。
そうゆう全部が彼女を鬱状態にしたようでした。

「なんであんたは外にでれるの?!」

「なんであんただけお酒のめるの?!」

「なんであんただけタバコすえるの?!」

「なんであんただけ楽しそうなの?!」

「なんであんただけ・・・・」

そういって泣き崩れそうになる彼女を俺は抱きかかえました。

俺だって、別に遊んでるわけではなかった。
それでも彼女に対する思慮が足りなかった。
ここは彼女の家で、俺からすれば気を使うことは俺のほうであって、普段から嫌に明るく振舞うといったことをしていました。
それは、家族に俺がもう馴染んだというように感じてほしかったから。
彼女に俺のことで心配してほしくなかったから。
妊娠に集中してほしかったから。

そうだとしても。

俺はなんて馬鹿なんだろう・・・。
こんなに辛い思いしていたのに、なんで気が付かなかったんだろう。

妊娠の辛さは男には分かりません。
一生かけても味わうことができません。
"女じゃないし、分かる分けない。"と、どこか他人のように思っていました。
それ自体が間違ったことだったと、ようやく気づけたのです。

「ごめんな・・・。」

「わかってやれてなくてごめんな・・。」
彼女を抱きしめたまま、彼女の横で俺の目からも大粒の涙がこぼれます。

「もっと私のことみてほしかったんだよ・・」
「・・・そうだね。」
彼女は続けます。

「仕事してくれるのはうれしいよ?」

「大学にもちゃんといってほしい。」

「でも・・。でも・・・。」

「1日に1回でいいから私の名前呼んでよ・・・」
俺は朝は大学があったため、8時くらいに家をでて、バイトがあった日は深夜の3時くらいに帰ってきていたため、彼女と顔をあわせることがないまま1日が終わることも多々ありました。

深夜の3時くらいに帰宅したとき、たまたま彼女が起きてきたときの話ですが。
「帰ってきたら起こしてよ。」
「気持ちよさそうに寝てるからさ・・」
これは本当にそうであったことと、妊娠中で大変だろうという配慮から起こすことはしなかったのです。
しかし、それが彼女を逆に苦しめていたとは・・。
いろんなことが初めてわかりました。

俺にも感じること他にあったにしても、そのときだけは。
「本当にごめん・・・」

「ちゃんと見る。ちゃんと話す。ちゃんと名前呼ぶから・・。」
「うん・・・。ありがとう・・・」

そういって何かから開放されるかのごとく、彼女は眠りにつきました。
それを見守った俺の心には二つの気持ちがあったのでした。


→~誕生~その18話へ 



※そろそろ生まれますよ!
 私のジュニア誕生の瞬間です。
 まぁそこにも一騒動あったわけですが・・。
 
 

【2009/04/10 14:13 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
~誕生~ その16話

<お知らせ:本日はラブラブモードです>


「宴たけなわではございますが~」
おぶ君の〆で運動会の慰労会終了。
ようやく大怪獣から開放されます。

人というのはすごいもので、こんだけ緊張というか気を張った状態で酒を飲むと全くといって良いほど酔いが回りません。
当のひでみちゃんは完全にできあがってますけども。

「あひゃひゃひゃひゃ~♪」
なにもないのに笑っています。
幸せな人ですね。はい。

こうなってしまってはみぃみちゃんに電話することもできずに、
「あれ~?お迎えがきてな~~~い」
「だって連絡してないでしょ?」
当たり前ですよ?ひでみちゃん。

「は~や~く~れ~ん~ら~く~し~て~♪」
はいはい。もうめんどくせー。

トルルルルル。
トルルルルル。

『もしもし?』
「あ。俺だけどさ。お母さん酔っ払いまくってるからお迎えお願いしてもいいかな?」
『もうちょっと待っててもらってもいいですか?』
う~~ん。声だけってのもいいかもしんない。

『今お風呂上りなんで・・♪』
お風呂上り・・・。
想像力をかきたてられます。


飲み会のあとは、なぜか飲んだ店の前でダラダラすることが多く。
みぃみちゃんに電話してから到着まで20分弱かかったわりには外で話をしていたせいで、それほど気になるほどの時間でもありませんでした。

「おまたせしましたぁ♪」
笑顔最高。
お風呂上りの良い匂い。


「お母さん!なにやってんの!!」
「あぁ~♪みぃみだぁ♪なにしてんの?」
あなたが向かえ呼べっていったんじゃないですか・・・

「電話きたから迎えにきたのっ!」
「ん~?あたし電話してないよ~?」

「だってお母さんじゃないもんっ!」
「んじゃぁ誰が電話したのぉ~?」
ん・・。なんか・・・この人酔っ払ってないんじゃ・・・?

「それは・・・」
困るみぃみちゃん。

「誰誰ぇ~?♪」
「いいから帰るよっ!!!」
みぃみちゃんキレました。

「かえんないっ!」
「なにわがままいってんの!」
親子喧嘩ってゆうより姉妹喧嘩みたいにみえなくもない・・・。

「だって~。このあとカラオケいくもん♪」
あんだけ歌ってまだ歌うか・・。

「だから~。みぃみは彼送ってってあげて♪」
へ?
なにこれ?棚から牡丹餅状態?

「え・・・。別にいいけど・・・。お母さんは?」
「ん~~~。適当に帰るから♪」
うん。本当に適当に帰ってきそうです。

「んじゃぁ。俺だけ帰っちゃうよ?ひでみちゃん。」
「うん♪」

「あ。みぃみのことね。」
「ん?」

「優しくしてあげてね♪」
なにをだよ。

 

車に乗り込む俺とみぃみちゃん。

「それじゃお母さんお願いします。」
「はいよ。まかせとけ!」
まぁおぶ君がいれば平気だろうと、俺とみぃみちゃんは帰宅することに。

 

家に向かう車の中。
「今日はお疲れ様です。」
「本当につかれたよ。」
まじでクタクタです。大怪獣の相手は辛いわ・・

「お母さん・・・大変だったでしょ・・・?」
ええ。そりゃもう大変なんてもんじゃなかったですよ。
でもそんなことは娘さんに言えるはずもなく。

「ん。大丈夫だよ。酔っ払い、慣れてるしね。」
「ありがとうございます♪」
こっちが気を使ったのを見破られてしまった感がありました。
この子って本当に優しい子なんだな・・。

「そういえば」
「ん?どうかした?」

「お母さん。キスしませんでした・・・?」
ああ。されましたとも。濃厚なやつをね。

「うん・・・。まぁね。」
「・・・・やっぱり。」
ものすごく悲しそうです。

性格上、適当なことを言って笑わせるということに長けていたので、
「ん~。んじゃぁ送ってもらったお礼に~。」
「え?」
「みぃみちゃんにもちゅーしてあげるね♪」
完全なる冗談で言ったつもりでした。

『本当ですかぁ♪」
あら?本気にとっちゃった・・・?

 

しばらくしてみぃみちゃんの家につきました。
嫁の実家から歩いて3分くらいの場所であったため、みぃみちゃんの家から帰ることにしたのです。

「送ってくれてありがとう。」
「あ・・・・」
本当にキスを期待していたご様子。
俺としては安易にそんなことして傷つけることはしたくなかったのです。

「みぃみちゃん。」
「はい?」

「俺ね。前にみぃみちゃんがいってくれたことうれしかったんだよ?」
「私がいったこと・・・?」

「そう。"結婚してなきゃ出会わなかったんだ"って言葉」
「はい・・・」

「確かにそのとおりだよね。今までの何か一つでもかけてたりしたら、出会ってないかもしれない、。」

「結婚してなかったら、俺はみぃみちゃんに出会うことはなかったと思う」

「だから、結婚してよかったって初めて思えた。」
「はい・・・。」
複雑な表情のみぃみちゃん。
そして俺もずるいのです・・。

「俺は君を傷つけたくないから。その気持ちは分かってくれる?」
「・・・・」

「でもね。それを分かってるのなら、俺は君にしてあげれることいっぱいあると思う。」

「それが君にとって、いつかは辛く感じることがあるだろうし、やめたくなることもあると思う。」
「・・・」

「それでもいいっていえる?」
「・・・・はい。だって・・・好きなんだもん・・・・」
細く、しまった体を秋風にさらされて、小刻みに震わしています。
それをすっと抱き寄せる俺。

「あ・・・。」
少し驚くみぃみちゃん。

「俺さ。みぃみちゃん好きだよ?」
「・・・はい。」

「でも、ずっと一緒にってのはできない。」
「・・・・・」

「だけど。こんなんだけど、俺のできる限りだけどさ。」
「はい。」

「幸せにしたいって思ってもいいかな・・・?」
「・・・・・はい。」
二重で大きな瞳から、大粒の涙が零れ落ちました。

「ずっとこうしたかったんだよぉ・・」
「・・・・そっか」

その言葉を最後に二人は会話ができなくなりました。

それも何度も。何度も。
「ん・・・」
時折もれる彼女の吐息が、とても愛しく、そして切なく。
運動会のときとは打って変わった静けさの中で、お互いの心臓の音さえ聞こえるの距離のまま、二人の時間はゆったりと流れていきました。

夏が終わりを告げ、気持ちよさを通り越し、肌寒さを感じれるほど乾いた風が俺たちの横を通り過ぎていきました。
 


→~誕生~その17話へ

【2009/04/09 13:26 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
チッチキチー
おはよーございます。



タイトルに深い意味はありません。

血ダガが装備できたからっつうだけです('
【2009/04/08 14:37 】 | メイプルストーリー | 有り難いご意見(2) | トラックバック()
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