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とるものもとりあえず、車に乗り込みます。 "もうすぐ生まれる?" まだまだ子供の俺が子供を授かるということに、今更考えばおいついておらず、意味不明な自問自答を繰り返しながら病院に向かいました。 数分後、病院についた俺は、嫁のいた病室に駆け込みました。 どこだ!?どこいけばいい!? 「こっち!!!」 ※子供が生まれるときははじめ陣痛室と言うところで、出産のための準備をします。 陣痛室にはいると、嫁が悲痛の叫びと共に、ものすごい顔で痛みに耐えています。 「大丈夫か!?」 男友達が思いっきり握ったとしても出ないんじゃないか?と思われるぐらいの力の強さです。 陣痛が収まると、痛みも嘘のように消えるため、それこそ普通に話ができます。 「はぁはぁ・・。きて・・くれた・・・んだね・・。・・・ありが・・とう。・・・はぁはぁ」 「大丈夫か?そばにいるからな!?」 「うんうん。ちゃんと握ってるから!」 そこに助産婦さん。 「あの!立会いしてもいいですか!?」 「なんで・・・?」 「旦那さん。」 「はい?」 「今からね、新しい命が生まれてこようとしているの。」 「昔はね。出産でお母さんが命を落とすこともあったのよ?」 「それだけ大変なことを今からするの。」 「あなたの気持ちはわかるわ。」 「だけどお産は変われないでしょ?」 「お母さんは強いから。一人でも大丈夫だから。」 妊婦と助産婦さんだけが通れる扉を使い、嫁は陣痛室から分娩室へと移動していきました。 「いってくる・・・ね・・?」 その扉が閉まりかけていきます。 「がんばれ!!!」 俺の言葉に反応して、右手を上に上げてくれた時、静かに分娩室の扉は閉まりました。 PR |
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そんな出来事から2ヶ月ほど経ちました。 「明日から産婦人科だから」 「うん。わかってるよ。」 「大丈夫。今は俺のことはいいから、自分のこと考えろよ。」 その日、俺がバイトに行っている間、妻は産婦人科に入院したのです。
俺は何をしてあげたらいいんだろう。 あのとき、もっと真剣に考えていられれば。 なぜ、もっと自分を追い込まなかった? あの日からすでに5年以上経った現在でも、しばしば考え込むことがあります。 時間の経過と共に、俺も少なからず"大人"というものになり、周りが見えて、理解できるようになってきたからこその、"今"。
っと、話がずれにずれて何の話をしていたのか・・。 次の日、着替えなどを頼まれていたことから、病室に顔を出しにいってみました。 「具合どうだ?」 「病院のご飯おいしくない。」 俺も高校の時、膝の怪我で入院したときにでた食事はお世辞にも上手いものではなかった記憶があります。 「あなたの作った料理が食べたい♪」 そうゆう相手の気持ちに気づけるようになったのも、これから何年も経ってからのことです。 数日が経ち、1日置きくらいに病院に顔を出していたとき、 「明日生まれるかもね。」 「明日って学校なんだっけ?」 「だめ。ちゃんといきなさい。」 「生まれそうになったら、ちゃんと連絡するから、学校いってなさい。」 「病院にいても、気が気じゃないだけですることないんだから。」 「煙草吸いにいくか。」 喫煙所にて、 「まぁ。あせってもしょうがないから、お義母さんにまかせとけ。」 その日は連絡がありませんでした。 そしてその次の日も。 またその次の日も。 煮え切らない気持ちのまま、数日がたったある日。 せかい~にひとつだけ~のは~な~~♪ 珍しく俺の携帯がなっております。 「はい。俺ですけど?」 「え?なんです?」 「えぇ?!」 |
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次の日の朝。 「昨日何時くらいに帰ってきたの?」 「ん~・・あんまりよく覚えてない。」 しかし、実のところこの頃には、俺の気持ちは嫁には関心があまりありませんでした。 妊娠しているとはいえ、妊娠が分かり、一緒に暮らすようになってすでに9ヶ月。 え?みぃみちゃんはどうなんだって? 昨晩あんなことがあったにも関わらず、その後は別に連絡を取り合っていたわけでもなく、彼女には彼女の友達付き合いもあったでしょうし、高校がすこし遠いところにあったため、一人暮らしをしていたので、そこまで一緒にいる時間があったわけでもありません。 と。話を戻します。 毎日バイト三昧で、1ヶ月のお小遣いは1万円。 それでも、気持ちは離れつつあっても、『子供のため』と大義名分、バイトに勤しんでいました。 「ただいま~」 誰もいないのかな・・? 1階には誰もいませんでした。 おかしいな・・。今日は検診日じゃなかったはずだけど・・・? 「いないの~?」 「なんだ。いるんじゃん。」 返事がありません。 「どうしたん?」 相当怒ってるなー。 「俺なんかした?」 チョキチョキ。 チョキチョキチョキ。 そーっと、目の前に回ってみると。 「なにしてんの?!」 大きなカレンダーを日にちごとにきれいに切って、1日から31日まで並べておいていたのです。 「なぁ!なにしてんの?」 「うわぁぁあああ!」 これはまずい! 少し俺の胸の中でジタバタした後、我に戻ったのか 「これ・・・なんか切ってたよ・・?」 嫁の話によると、朝お義母さんからいらないカレンダーをもらったときに、『この日に妊娠わかったんだよね』という気持ちから、この1年をカレンダーを見ながら振り返っていたとのこと。 自分が妊娠して、だんだんお腹が大きくなって、外に出歩くことも、家の階段の上り下りすることさえも、だんだん辛くなっていっているのに、俺は毎日バイトいけて、大学にもいけて、帰ってきたらお義父さんと一緒にお酒のんで、煙草吸って。 「なんであんたは外にでれるの?!」 「なんであんただけお酒のめるの?!」 「なんであんただけタバコすえるの?!」 「なんであんただけ楽しそうなの?!」 「なんであんただけ・・・・」 そういって泣き崩れそうになる彼女を俺は抱きかかえました。 俺だって、別に遊んでるわけではなかった。 そうだとしても。 俺はなんて馬鹿なんだろう・・・。 妊娠の辛さは男には分かりません。 「ごめんな・・・。」 「わかってやれてなくてごめんな・・。」 「もっと私のことみてほしかったんだよ・・」 「仕事してくれるのはうれしいよ?」 「大学にもちゃんといってほしい。」 「でも・・。でも・・・。」 「1日に1回でいいから私の名前呼んでよ・・・」 深夜の3時くらいに帰宅したとき、たまたま彼女が起きてきたときの話ですが。 俺にも感じること他にあったにしても、そのときだけは。 「ちゃんと見る。ちゃんと話す。ちゃんと名前呼ぶから・・。」 そういって何かから開放されるかのごとく、彼女は眠りにつきました。
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<お知らせ:本日はラブラブモードです>
人というのはすごいもので、こんだけ緊張というか気を張った状態で酒を飲むと全くといって良いほど酔いが回りません。 「あひゃひゃひゃひゃ~♪」 こうなってしまってはみぃみちゃんに電話することもできずに、 「は~や~く~れ~ん~ら~く~し~て~♪」 トルルルルル。 『もしもし?』 『今お風呂上りなんで・・♪』
「おまたせしましたぁ♪」
「電話きたから迎えにきたのっ!」 「だってお母さんじゃないもんっ!」 「それは・・・」 「誰誰ぇ~?♪」 「かえんないっ!」 「だって~。このあとカラオケいくもん♪」 「だから~。みぃみは彼送ってってあげて♪」 「え・・・。別にいいけど・・・。お母さんは?」 「んじゃぁ。俺だけ帰っちゃうよ?ひでみちゃん。」 「あ。みぃみのことね。」 「優しくしてあげてね♪」
車に乗り込む俺とみぃみちゃん。 「それじゃお母さんお願いします。」
家に向かう車の中。 「お母さん・・・大変だったでしょ・・・?」 「ん。大丈夫だよ。酔っ払い、慣れてるしね。」 「そういえば」 「お母さん。キスしませんでした・・・?」 「うん・・・。まぁね。」 性格上、適当なことを言って笑わせるということに長けていたので、 『本当ですかぁ♪」
しばらくしてみぃみちゃんの家につきました。 「送ってくれてありがとう。」 「みぃみちゃん。」 「俺ね。前にみぃみちゃんがいってくれたことうれしかったんだよ?」 「そう。"結婚してなきゃ出会わなかったんだ"って言葉」 「確かにそのとおりだよね。今までの何か一つでもかけてたりしたら、出会ってないかもしれない、。」 「結婚してなかったら、俺はみぃみちゃんに出会うことはなかったと思う」 「だから、結婚してよかったって初めて思えた。」 「俺は君を傷つけたくないから。その気持ちは分かってくれる?」 「でもね。それを分かってるのなら、俺は君にしてあげれることいっぱいあると思う。」 「それが君にとって、いつかは辛く感じることがあるだろうし、やめたくなることもあると思う。」 「それでもいいっていえる?」 「あ・・・。」 「でも、ずっと一緒にってのはできない。」 「だけど。こんなんだけど、俺のできる限りだけどさ。」 「幸せにしたいって思ってもいいかな・・・?」 「ずっとこうしたかったんだよぉ・・」 その言葉を最後に二人は会話ができなくなりました。 それも何度も。何度も。 夏が終わりを告げ、気持ちよさを通り越し、肌寒さを感じれるほど乾いた風が俺たちの横を通り過ぎていきました。 |
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おはよーございます。
タイトルに深い意味はありません。 血ダガが装備できたからっつうだけです(' |
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