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【2025/07/06 12:49 】 |
~誕生~ その⑦

燃えに燃えているおっさん3人衆です。

「君!絶対優勝するよっ!!」
「足ひっぱんじゃねーぞっ!」
「こけたりしたらわかってんだろうな?!」
なにもしていないのにすごい言われようです。

しかし、男ってのはいつの時代も変わらないですね。
さっきまでのネガティブ志向はどこへやら。
当のひでみちゃんは、「うんうん♪」などとのんきなもので。

予選も第1組、2組を終わりまして、俺らが出場する第3組がはじまる時間です。

「みんな!がんばろうねっ♪」
『おぉぉぉおおおっ!!!』
歓声をかき消すかのごとく、OS3(=おっさん3人衆)の怒涛の掛け声。

「・・・・おぉ」
『やる気あんのか?!?!』

ありますよ・・あんたらがすごいだけじゃん・・・。
恐るべし「ひでみちゃんのちゅー権利」。

そんな気合満々のOS3がいますから、予選なんてものは圧勝も圧勝。

第1走者:ひでみちゃんが抜群のスタートをきめてくれます。
1馬身?1人身?はなして2番手へ。

第2走者;OS3レッド(赤いTシャツなので)も、猪のようなダッシュ力。
しかし、「猪突猛進」とはこれのこと。急には曲がれません。
カーブではかなり減速しております。
でも直線の早いこと早いこと。
3番手に渡すときには、さっきの3倍近くはなれておりました。

第3走者:OS3ホワイト(白いTシャツなので)は速度は並。
でも、小技が光ります。ついでに頭も光っています。
カーブの曲がり方なんぞピカ一。頭なんぞぴっかぴか。
流れるようにカーブを曲がっていきます。額の汗もきれいなカーブを流れます。
グラウンドの4分の1くらいの差をもって4番手へ。

第4走者:OS3ブルー(説明なし)においては、正直人数あわせ的はところが多かったのですが。
ファイト一発!ならぬ、気合一発。
「うぉぉぉおぉおおおおおお!!!」
気合というか、すでに雄たけびです。
その迫力にやられてか、他との差はグラウンド半周に。
最後のボールパスを受け取り、アンカーの俺が走り出しました。

アンカーの俺は歩いてでも平気なんじゃないかってくらいに他から離れまくっていて。

『ちんたら走んなぁぁぁあああああ!!!』
OS3は味方に対しても厳しい模様。

こんなもんときはこけないように、失格にならないように走ったほうが懸命です。
そんな人の気持ちを理解してくれるはずもなく。
俺の横に並走してくれちゃってます。
TV中継のマラソンの横で走っている人のごとく。
隣で走りながら俺に声をかけてくれているわけですが、
「がんばれ」などの激励ではなく、完全なる叱咤のみで。

無事準決勝に進むことができました。

『おっしゃぁぁぁあああああ!!』

喜び方も半端ないわけで。
当のひでみちゃんは
「うふふ♪」
不敵に笑っています。
俺にはそれが不敵でも、OS3には勝利の女神のようにでも見えていることでしょう。

こいつらの子供じゃなくて本当によかった。
と、心底感じるタイミングでもありました。

予選は4組の中から上位2チームが準決勝に進みます。
準決勝でも上位2チームが選出されて、4チームでの決勝戦を行います。
ある程度早いチームが準決勝にあがってくるわけですから
そうも簡単にいかないだろうと思われた準決勝。

いつものようにスタートダッシュを決めるひでみちゃん。
猪男のレッド。いぶし銀のホワイト。気合のブルー。
OS3のがんばりも凄まじいものがあります。
アンカーの俺からすると、それまでのリードが大変なものであるため、いつも余裕をかましているように見えるらしく。
『こらぁぁぁああ!真剣にやれーーーー!!!』
どやされてばっかり。

そんなこんなで、これまた圧勝。
ここまでくると、さすがOS3。
レッド・ホワイト・ブルーの「親父戦隊ヒデミンジャー」。
ちょっとかっこよく、尊敬にも値します。

「おっしゃぁぁぁぁああ!」
「あと1回だっ」
「そうだな!あと1回勝てば・・・」

『ちゅ~~~~~~♪』

前言撤回。



→~誕生~その⑧へ


<管理人より一言>
なにやら暇つぶしといいながらも、何気に読んで頂けてる話を耳にしますと、うれしくなるものです。
ある方には話しをしましたけれども、今のところノンフィクションでのお話となっておりますゆえ、もしかしたら「あ。なんか知ってる」とか感づく方もいらっしゃるかもしれませんが、どうぞご内密にお願い致します。

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【2009/03/25 11:28 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
~誕生~ その⑥

天国のような、地獄のような運動会練習を経て、やってきました町民運動会。

ママさんバレーの甲斐もあって、そこそこ俺の顔もわかってきてもらえています。
それがうれしくて、くすぐったい感じでした。

練習をしていたからといって、そこまで優勝にこだわっているわけでもなく。
実家のほうの運動会のそれと似たり寄ったり。

それでもやはり夜に練習したという結束なのでしょうか。
団結力が他とは違います。

綱引きの声がけ、玉入れの声がけ、リレーのバトンパス。
どれをとっても他を圧倒するくらいスムーズです。

実力が伴っていないため、結果にはつながりませんが。

部落対抗リレーも予選で敗退し、残されていたのは俺も出場する「ドリブルリレー」。
バスケットボールをドリブルしながらグラウンドを半周し、次のランナーにボールを手渡すリレーです。

やはり地方の運動会だからなのか、結構ローカルルールが。

1.ボールを持ったまま3歩以上歩いてはいけない。
 バスケと一緒ですね。

2.ボールを渡せるのは次ランナーの立ち位置の前後1m
 つまり2mの範囲内で渡すとのこと。若干狭いです。

3.ボールは2バウンドする前に手に触れなくてはならない。
 前方に大きく投げるのを防止しているみたいです。

4.ボールを場外に出してはいけない。
 小さいお子さんも身に来ているから安全のためでしょう。

5 .アンカーはグラウンド1周半走る。
 まぁどのリレーもアンカーは長く走りますね。

6.上記を守れなかった場合、失格となる。
 う~~~ん。失格とはきびしい。

こんな感じでルールが設けられていました。
大したことないだろうと思って他の予選を見学に。

「よーーい。」
ばんっ!!!!

予選の第1組がスタートした模様です。

ピピーーーーー!!!
「赤3歩っ!!!!」
おう。さっそくやったか。
1走者目で赤チーム敗退です。
他のチームは第2走者へと。

ピピーーーーー!!!
「青2バウンドっ!!!」
おおう。今度は青か。
残すは2チームです。
準決勝へは予選から2チームが進めました。
これでなにもしなくても準決勝まですすめることが決定しました。
ですが、第4走者目。

ピピーーーーー!!!
「黄パス渡しオーバーっ!!!」
ぎゃ~~~~
1チームになっちまいました。
緑チームの寂しそうなこと寂しそうなこと。

勝っても盛り上がらない状態です。

後はアンカーが1周半走りきれば第1組はおわりです。

ピピーーーーー!!!
「緑ボール場外っ!!!!」

え~~~~~っと。
予選1回戦第1組全チーム失格。

しかし、さすがは町民運動会。町長が登場してきまして

「え~~~。検査の結果~」
検査してたんですか?なにを??
どちらかというと審査では?

「只今のレースが無効とします!」
『おおおおおおおおおおおお』
盛り上がる予選第1組。

「つきましては~」
つきましては?

「3歩以上と、2バウンドだけをルールとします!」
ずいぶん楽になりました。

気を取り直して第1組のスタートです。

「よーーーい」
ばんっ!!!!

さっきよりもルールが減ったおかげで失格するチームはありませんでしたが、
何気に難しい「ドリブルリレー」。

普通のグラウンドでバスケットボールをついてるわけですから
ちょっと大きい石なんかで、とんでもない方向にボールが跳ねていきます。
それにただ走ってるわけではないため、足への集中力が欠けるせいかカーブで転倒するチームも続出。
スピードを抑えて無難にこなしているチームが上位に食い込んできていました。
しかしスピードを抑えるということは命取りにもなりかねません。
予選を見ていた俺らのチームは
「どうするか」
「アンパイでスピード抑えるか?」
「でもうまいチームとかいたら勝てないっすよ?」
「たしかに・・・」
「でも失格するよりは~・・」

すると、自分の出場するひでみちゃん。
「作戦変更なしっ!」
「え・・・だって」
「だってもへったくれもないっ!」
さすがはチームリーダー。
ん?部落リーダーか?

男が相手でもかまわず自分の意見です。
「私が考えた作戦なんだから大丈夫!」
「そうかなぁ~・・」
自信なさげなおっさん達。

「だってAのとこの○○さんって元バスケ部だよ~?」
「そうそう。でもさっき失格っていわれてたしな~・・」
「本当に大丈夫なの?ひでみちゃん」
女々しいったらありゃしません。

「優勝したくないのっ!?」
「う~~~~ん・・・」
「楽しくやれればね~・・・」
「あさってから仕事だしな~」
「この年になって怪我したくないよな~」

あ~~~~。イライラする。
一番年下の俺が物申そうとしたときでした。

「そうだよねー。みんな仕事とかあるもんね~」
と、ひでみちゃん。

うそだ。この人があきらめるなんて・・・
俺も気軽になるかな・・・

「んでもねー」
ん?なんだ?ひでみちゃん。
「もし優勝できたら『ちゅー』してあげる」

「優勝します!!!!!!!!」

おい。おっさんども。

 
→~誕生~その⑦へ

【2009/03/19 09:37 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
~誕生~ その⑤

そんなこんなで始まった運動会練習も、めんどくささから楽しさへと一転し。
だからってなにするわけでもなく、ただ

「今日は○○で~」
「友達が△△だったらしく~」

などと、みぃみちゃんの話を聞いてるだけのデート。
傍から見たら仲のよい兄妹か、それこそカップルの様でした。

参加する種目の練習が始まれば、そっちに参加しなくてはいけなくて、
練習に呼ばれる度に、ちょっと寂しそうな顔をする彼女がかわいかったのです。
「終わったらまたくるね」
そう声をかけると満面の笑顔。
「うん♪」
やっぱしこの子かわいいです。

練習の為にグラウンド中央にはしっていったところ。

「うちの娘かわいいでしょ~♪」
でかい声でひでみちゃん。

ん?
なにか後ろのほうから視線を感じます。
気にはなりましたが、そんなことよりひでみちゃん。
この練習場にお義母さんいることわかってくれてるかな?
そうゆう冗談が冗談じゃなくなる状況ってあるんですけど?

「うちの子も見る目あるわね~」
「付き合っちゃえば?♪」

んん?
背中に刺さる視線が心なしか増えたような・・・。

「君ならいくら家に遊びに来ても、いつでも歓迎するのにっ♪」
あの~・・・後ろの視線痛すぎるんですけど。

俺の気持ちを知ってか知らでか
「みぃみのことね・・・」
「好きにしちゃっていいからね~♪」

猛獣の中に取り残された人ってこんな感じなんだろうな。
恐ろしすぎて、顔さえあげれない状態。
もうさ・・・どうにでもしてくれよ。

でも、よくよく考えれば親の承諾を得たということ。
それはそれでいい方向なのでは?などと
超プラス思考にて、その場の緊張感から逃れる俺です。

その後の練習の風当たりの強いこと、強いこと。
いくらか萎縮してはいましたが、それでもそれなりに体力というか運動全般に自信があった俺なので大抵のことは並以上こなせます。
ただでさえ、一緒に練習している人たちが自分の親に近い年齢なのですから体力で負けるはずもなく。
練習しているうちに、さっきまでの蟠りもどこへやらです。

「いや~。やっぱ若いっていいね~」
「本番でも頼むよっ」

こういわれるとまんざらでもないです。
「はいっ」
気分は上々。

「じゃ。次の種目ね~♪」
ひでみちゃんの声がけで別種目へ。

それには俺は参加しませんでした。
するとグラウンドの端からみぃみちゃんが手を振ります。

声でかいからそこまで聞こえるんだ・・・

気分のいい俺は、躊躇なく手を振り替えします。

そのとたん

う・・・背中から・・・・・

もう振り返ることはできません。
猛獣達が、今か今かと襲い掛かろうとしてくれています。

気分は下々。

ってゆうかさー
あんたら全員結婚してんじゃん
嫁どころか子供だっているじゃん。
そんな目で見られる筋合いなくねー?
別にいいじゃんねー 俺ぐらいさー


・・・・・・あ

俺も結婚してるんだった


遠くのほうからの1つだけ鬼の目があることにようやく気がついたのでした。

 
→~誕生~その⑥へ

【2009/03/16 10:46 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
~誕生~ その④

GWが過ぎ、それこそあっという間に夏休みになりました。
大学の夏休みは大体2,3ヶ月あり、昼、夜問わずにバイトができます。
それゆえに毎日朝から深夜までバイト三昧。

パチンコ屋、コンビニ、日払いなどなど。
1ヶ月平均で約30万くらい稼いでいたかと思います。
いくつものバイトを掛け持って出産のために蓄えていました。

反対していた俺の両親も、こっちに来て
全員参加の家族会議の結果、やはり下ろすのはかわいそうだということになり、
快くではないにしろ、承諾してくれました。

今まで俺が借りていたアパートも引き払い、
彼女の実家でお世話になることに。

いわゆる「マスオさん状態」です。

そんな中でも自分なりに彼女の家族とうまくやれていたほうではないでしょうか。

地域で行っている、6人制のママさんバレーに参加したり、
夏祭りではお義父さんと一緒に焼きそば屋やったりと
地域行事に参加しないことがないくらいでした。

単身でてきた俺に、本当の意味での家族ができて
それはそれでうれしく感じていることでした。

しかし、同時に大学の連中からは離れるとこに。

飲み会、部活、旅行と、仲間が行っているなかで俺だけ常に不参加。
心の真ん中に穴が開いた感じとは、まさにこれなんだろうと。

 

バイト三昧のおかげで夏休みも
なんの出来事もないまま、過ぎ去ってくれました。

 

そして季節は秋。

秋といえば、
「食欲の秋」「読書の秋」「和田のアキ(子)」などと
なんにでも「秋」がつきます。

んで、忘れてはいけない「運動の秋」。

大体これくらいの時期にどこでも「町民運動会」なるものが開かれるのではないでしょうか。

この地域では部落ごとに選手を選抜して、7種目を競い合います。
綱引き、玉入れ、障害物競走、借り物競争、100m走、ドリブルリレー、そして花形の部落対抗リレー。

地元でも町民運動会に参加したことはありましたが、
それこそ町のお祭りの一つみたいなもので
楽しくやって勝てればいいだろ的な感じでした。
如何せん、親父どもは運動会がはじまったとたんに、応援といいながら
ビールを飲み、金網でバーベキューですから。

しかし、今回は違います。
なんていっても、毎週月・金の夜に練習会があるんですから。
どれだけ本気なのでしょう。

本気っつっても、練習ではりきっているおばちゃまは
せいぜい3,4人。
まぁそれだけでも十二分にめんどくさいのですが。

その中でも一際でかい態度?まとめ役?であるのが「ひでみちゃん」。

ひでみちゃんとはママさんバレーでも一緒で、
そのときから
「この人すげーなー」と思わされていました。

なにがすごいって、その美貌です。
もう40代半ばであるにも関わらず、出るとこはでており
しまるところはしまっている。
目鼻だちもはっきりしており、若干日本人離れした顔立ち。
30代前半といわれても信じてしまいます。

熟女が好きっていってる人ってこんな感情なんだろうな~
と、一人で納得することもしばしば。

このおばちゃんなら・・・と本気で考えたことも事実。

そのひでみちゃんが先頭を切ってまとめているせいなのか
男性陣は拒否することは一切ありません。

もしかして、隣の親父もひでみちゃん狙いか?
などと、変なところでヤキモチを焼いてみたりしていました。

 

そんなある月曜日の夜。
いつものごとく近くの小学校に集まり、夜練習をしているときでした。
見たこともない若い女性が一人。
俺よりも下に見えました。

「あんな若い子いたっけな・・」
遠巻きに見ていたので、はっきりとした顔立ちまで確認できませんでしたが
見た限りでは、かなりかわいい。

そんなおり、
「みぃみ~~~」
その女の子を呼ぶ声。

「は~~~い」
うん。声もかわいい。
ん?今誰呼んだ?
と、後ろを見ると声の主はひでみちゃん。

「この子うちの娘ね。」
「はじめまして♪」
みぃみちゃんか~・・・・って
ここん家のDNAはどうなってるんでしょう。
この親にこの娘ありとでもいいましょうか。
近くで見るとさらにかわいい。
年が俺よりも3つ下ってことを考慮にいれなくても、かなりの好評価です。
(年が下ってだけでポイント的には10ポイントくらい上がるので。

母親と似ていて、日本人離れした顔立ちであり、
線は細く、それでいてしまった体付をしておりました。
これも母親似であるのか、でるとこはでている。
身長も俺よりちょっと低いだけでスタイル抜群でした。


この子もでるのかなって思っていると、なにやら高校生は参加できないとのこと。
そりゃそうです。
高校生がでれるんだったら、全部の部落の選抜選手が高校生になります。
地元の高校の運動会とかわらないっつう話です。
(本当は大学生の俺も参加はできないらしいのですが、結婚してるとのことでOKだそうで。

今日はひでみちゃんの付き添いって形で、無理やりつれてこられたらしく、
やることがなくて、グラウンドの端のほうで、ちょこんと座っています。
その座っている様子も本当に絵になります。

練習に参加しているといっても、言われるがままに参加しているだけの俺は
どちらかというと、みぃみちゃん側。
いろいろ行事に参加はしていても、まだまだ不慣れな土地です。

「つまんないっしょ」
話しかけてみる俺。

「お母さんがいってたバレーの人ですかぁ?」
「ん。たぶんそうなのかな?」
何を話したんでしょう、ひでみちゃん。

「イケメンだっていっていたので~♪」
「そ、そうなの?」
「はい♪」
う~~~ん。自分で自分をかっこいいとは思ったことはないのですが。
自分がかわいいと思った子から言われると
そうそう悪い気分はしません。

「ここいても暇でしょ?」
「そうですね~」
内容のない話ばかりです。

「部活なにやってんの?」
「バスケです♪」
「バスケの推薦で高校いったんですよぉ♪」
この容姿でスポーツ万能ときますか・・
神は人に二物も三物も与えているのね。
俺にもすこしわけてください。

と、グラウンドを見渡すと小学生用ではありましたが
バスケットゴールが設置されております。
それに運動会の種目に「ドリブルリレー」といい、バスケットボールでリレーをする競技がありました。
バスケットボールも準備万端。
ってことは・・
「バスケでもする?」
こんな話になりますよね。

みぃみの身長は160代後半。
173cmの俺よりもちょっと小さい感じですが、
さすが高校でやってるだけはあり、うまいことうまいこと。

しかし女の子には負けられない。。
バスケには自信があった俺ですから、なかなかいい勝負に。

あと1本で俺が勝ちって状況になったとき、
「実は今日きたのは~」
「んー?」
ディフェンスしながら話を聞きます。

「あなたを見にきたんですぅ♪」
はい?

「あんまりにもお母さんがうるさくって、どんな人なのかなーって思って」
「そんなに話にでてるんだね」
人様の家での会話に自分がでているというのは恥ずかしいもので。

「でも想像以上でした♪」
「え?」
「もしこのシュート私が入れたら、今度デートしてくださいね♪」

 

そういってシュートを放った彼女。
身長的に止めることはできたのですが
それを止めようとする動作は起きずに。
入らないだろうと思っていても、どこがで入ることを願い。
その日から、毎週月・金の夜はちょっと可笑しな関係の
年下の女の子とのバスケデートが始まりました。



※暇を見つけて書いていたら、すでにもう4回分くらいたまっております。
 リアのこと、メイプルのことよりも【風魂歌】の掲載が多くならないようネタ集めがんばります。

→~誕生~その⑤へ

【2009/03/06 15:57 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
~誕生~ その③

5/8は母の日です。
皆さんは母の日に何かプレゼントとかあげたことはありますか?
この年の俺の母の日のプレゼントは最低なものでした。

5月8日

「どうした?」
と普段連絡しない俺からの連絡に
何事かと心配気に電話に母がでました。

「いや・・あのさ・・・・」
いいづらそうな電話口の俺。
なんとか話を切り出すタイミングを計っていたのです。

「今日母の日だからさ~・・」
こんな関係ない話からでしか切り出せませんでした。

「おお。ありがとう」
「それでさ・・・」
喜ばれた反面、本題が言えない・・・。

「なんだ?」
母がせかします。
「うんとね・・・」

沈黙。

意を決して

「あのさ。子供できた」
「は?」
頭がついてきていないようです。

「彼女に子供できた。んで、今彼女の家に来てるんだけどさ。」
「・・・・」
「俺、生ませてあげたい」
「・・・・」

再び訪れる沈黙。

「今までで最低な母の日だな・・・・」
この言葉を最後に母は電話を切りました。

まったくそのとおりです。
母の日に息子の妊娠話なんて・・・

ふと昔のことを思い出しました。

 


小学校の頃、母の日には決まってプレゼントを渡していました。
低学年の頃はそれこそ王道の「肩叩き券」

一度も母は使ったことがなかったけれど
毎年同じプレゼントにも関わらず、喜んでくれていました。

中・高学年になったくらいから
それなりにお小遣いももらっていたので(それでも500円とかでしたが・・
プレゼントはちょっとだけ高価に。

「ババロア」と「カーネーション」です。

ババロアは母自身が好きだったということもあり、
度々おやつとして作ってくれていました。

その母の作るババロアが好きだった俺は
母の日くらい自分で作ってあげようと考えていたのです。

母にばれないように材料を買い、
母が仕事にいっているうちに祖母の手を借りつつですが
ババロア作成に取り掛かりました。

いくら混ぜるだけの材料を買ってきたからといっても
普段料理とは無縁の小学生。
ちゃんとやったつもりでも、どこかに失敗点があるものです。

それでも早くしあげなければ母が帰ってきてしまいます。
子供ながらに慎重に、そして迅速に作成し、
あとは固まるまで冷蔵庫へ。

ん?冷蔵庫入れたらばれるじゃん
と、あわてて大きなバットに氷を敷き詰めて
ババロアを入れた容器にラップをして、一旦納屋に保管。

しばらくして母が帰宅しました。

「おかえり」
落ち着かない俺。

「ただいま。なんかしたでしょ?」
鋭い母です。

「な、なんもしてないよ」
ゲームのできる部屋に逃げます。

「ふ~~~~ん・・・」

なぜか俺の隠し事・嘘をついているときは母にばれました。
(後日談でそんなときは決まって鼻の穴広がるとの事・・・

夕ご飯がおわり、そろそろババロアが固まった頃合。

「お母さん。母の日のプレゼント」
姉に先をこされました。

お酒が苦手なのにワインだけは好きという
わけのわからん母へのプレゼントは「ワイン」と「カーネーション」
安物のワインですが、小学生には高価です。

さすが俺よりも4つ上の姉。金額が違います。
「ありがとう」
うれしそうな母。
先を越されただけでなく、喜んでいる笑顔を見ていると
自分のは渡しづらくなるもので。

「お前は?」
姉がせかします。
「ん・・・ないよ」
「だってお小遣い、ねぇちゃんより少ないもん」
「お金じゃないじゃん」
小競り合いが始まります。

「やめなさい!」
男と女といえど、まだまだ小学生。
4つ上の姉に勝てるわけもなく、退散しようとしたとき

「これ渡すんだろぉ?」
祖母がババロアをもってきました。

「あ・・・」
「いいんだよ。失敗作だから明日俺が食べるんだから・・・」
なみだ目でいいます。

何も言わずに台所に向かう母。
人数分の皿とスプーンをもってきて、人数分に切り分けます。

皿にわけられたババロア。
混ぜ方が足りなかったのか、均一になっていませんでした。
沈黙のまま、母が一口。

「お。なかなかじゃん。」
「ほんと・・・?」
「うんうん。おいしい。」
見た目では、とてもおいしそうに見えないババロア。

それでも母は「おいしい」をずっといっていました。
「あれ?なんかはいってる」
それは卵の殻でした。
「あ・・・殻はいっちゃってたみたい・・。ごめんなさい・・」
さらに肩を落とす俺。

失敗も失敗で、祖母がもってきたことを恨めしくさえ思っていたとき、
「大当たり~~~~♪」
母がいいました。
「みんなも食べてみて」
言われるがままに食べる家族。

「殻はいってた人いた?」
家族は首をふります。
「ほら。やっぱりあたりだ」
「お母さんのにだけ入ってたってことはこれが特別ってことでしょ?」
「ありがとうね」
その言葉がなによりでした。

さっきまで喧嘩していた姉も
「うんうん。うまいうまい」
そういって食べてくれています。


食べてもらえたこと、喜んでもらえたことが
よほどうれしかった俺は早々に床につきました。

 


そのあと何年も経ってから親父から聞いた話ですが
あの夜母は泣いていたそうです。

自分のために子供がしてくれたこと。
そして何より子供の成長がうれしかったようで。

そのとき同時に知らされたのは「肩叩き券」の行方です。

幼稚園から小学校低学年にかけて俺があげていたそれを
何十年と経っている今でも大事に保管しているということ。
だんだん文字が漢字になっていったり、
書く文字がうまくなっていっていることに涙していたそうです。

改めて母親の偉大さ、大切さ、愛しさを知りました。

そのはずだったのに、その母を泣かせてしまった。

電話はすでにきれているのに、
それでも電話を耳から離すことができずに、

「かあちゃん。ごめんな・・・」

ため息のように細く、
それでも部屋一面に広がった一言。

涙が一緒に流れてきていることすら気がついていませんでした。



 

→~誕生~その④へ
【2009/02/28 13:04 】 | 暇つぶし | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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